ネットワークを使えるようにする
では次のステップとして無線LAN,有線LANを使えるようにしよう。LANチップのドライバのインストールとその設定を実施する。
ネットブックに搭載されているネットワーク・デバイスはそれぞれの製品によって異なる。今回はAspire oneを例にして無線LAN,有線LANの動作方法について説明する。また無線LANは,今回試したEee PC 701でも同じドライバが利用されていたので,下記の手順で動作する。
無線LANを使う
無線LANから取り掛かろう。Androidの無線LANに対応するために,ファイルを修正する。修正点が多くファイル・サイズも大きいため,表2のファイルを日経Linux2009年11月号付録DVDから取得し,それぞれのファイルに書き換えていただきたい(本記事に関する付録DVDの収録内容はこちらからダウンロードできる)。
また,無線LANに必要なモジュールを作成するために,Ubuntu上のカーネル・ディレクトリである「kernel」に移動し,カーネルの「make menuconfig」から図7のようにオプションを設定する。
Androidとカーネルのビルドを再度実行する。
$ TARGET_CPU_ABI=none TARGET_ARCH=x86 TARGET_PRODUCT=eee_701 DISABLE_DEXPREOPT=true make
$ cd kernel
$ make
ルート・ディレクトリに戻り,今回再作成したAndroidのルート・ファイル・システムとカーネル,ドライバをUSBメモリーにコピーする。
$ cd ..
$ sudo cp -fr out/target/product/eee_701/root/* /media/disk/
$ sudo cp -fr out/target/product/eee_701/system/* /media/disk/system/
$ sudo cp kernel/arch/x86/boot/bzImage /media/disk/boot/vmlinuz
$ sudo chmod 666 /media/disk/system/usr/keychars/*
$ sudo chmod 666 /media/disk/system/usr/keylayout/*
作成したモジュールをUSBメモリーに転送する。
$ sudo cp kernel/net/ieee80211 /*.ko /media/disk/lib/modules/
$ sudo cp kernel/net/mac80211/mac80211.ko /media/disk/lib/modules/
$ sudo cp kernel/drivers/net/wireless/ath5k/ath5k.ko /media/disk/lib/modules/
初期化用スクリプト「/media/disk/init.rc」を変更する。先ほどと同様に付録DVDから置き換える。DVD内の「init-wlan.rc」を/media/disk/init.rcに上書きする。
USBメモリーをアンマウントし,設定メニューの中から「Wifi」を有効化する。アクセス・ポイントのスキャンが実行され,アクセス・ポイントの一覧が表示されれば,そこから接続したいアクセス・ポイントを選ぶ。
うまく行かない場合は,一度「/data」フォルダ内のファイルを消してみるとよい場合がある。その方法は,再度UbuntuにUSBメモリーを差してマウントした後,以下のように消す。ただ,これによって先ほど設定した日本語表示などの設定も消えてしまう。
$ rm -rf /media/disk/data/*
また,無線ルーターとの相性が問題になるケースがある。例えばアクセス・ポイントが見つからないなどの問題の場合,認証方式を変えてみるとよいかもしれない。