Eclipseのプラグインで開発

 最後に,Androidのアプリケーション開発環境について触れておこう。開発環境を構築するためには,次のツールが必要となる。

・Android SDK (http://code.google.com/android/
・Eclipse IDE: 3.3(Europa)または3.4(Ganymede)
・Java SDK:JDK 5またはJDK 6 (Jreだけでは不十分)
・Eclipse Plugin: Android Development Tools plugin

 SDKに含まれるドキュメント(http://code.google.com/android/intro/installing.html)の手順を参考にインストールする。開発には,Eclipseのほか,オープンソースのビルド・ツール「Ant」も使用できる。

 それでは,アプリケーションの開発モデルからみていく。Androidでは,3つの要素を中心にアプリケーションを開発する(図4)。(1)Javaプログラム,(2)「リソース」と呼ばれる,XML表記のファイルやイメージ・ファイル,(3)「アンドロイド・マニフェスト」と呼ばれるXML表記のファイル,だ。

図4 アプリケーション開発モデルの概要
図4 アプリケーション開発モデルの概要
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 まず,プログラムのロジック部分である(1)Javaプログラム。開発で中核となるのは,アクティビティと呼ばれるウインドウ(画面)を制御するクラスだ。アプリケーションでは,アクティビティ・クラスを継承したクラスを画面ごとに組み込む。そこにロジックを記述していく。

 アクティビティ・クラスは各種用途に応じたものを,フレームワークで提供している。これらを「ベース・クラス」と呼ぶ。例えば,一覧を表示するアクティビティ「ListActivity」,地図を表示するアクティビティ「MapActivity」といったベース・クラスがある。MapActivityを使えば,地図を表示するだけのウインドウなら,ほとんどコードを記述しなくても作成できる。

 図3にある,文字列表示の「NotePadアプリケーション」を見てみよう。このアプリケーションでは,ノートを一覧表示するウインドウを「NotesList」というクラスで制御している。これは,ListActivityを継承して作成されている。