写真1●クアルコムジャパン 代表取締役会長兼社長の山田純氏
写真1●クアルコムジャパン 代表取締役会長兼社長の山田純氏
[画像のクリックで拡大表示]
写真2●最新チップSnapdragonの概要
写真2●最新チップSnapdragonの概要
[画像のクリックで拡大表示]
写真3●次世代製品の概要
写真3●次世代製品の概要
[画像のクリックで拡大表示]
写真4●AcerのLIQUID、ソニー・エリクソンのXPERIA X10はSnapdragonを搭載
写真4●AcerのLIQUID、ソニー・エリクソンのXPERIA X10はSnapdragonを搭載
[画像のクリックで拡大表示]

 米Qualcomm社の日本法人であるクアルコムジャパン代表取締役会長兼社長の山田純氏(写真1)は、2009年11月30日に開催されたAndroid開発者向けイベントAndroid Bazaar and Conference 2009 Fallで講演し、「携帯電話や、ネットブック対抗の新型機器『スマートブック』など幅広い分野のAndroid搭載機器の開発に同社の半導体製品を積極的に提供していきたい」と述べた。

 クラウドを利用する端末として、スマートフォンは最も数量が多い機器になると予測されているが、同社はスマートフォンにとどまらず、PC対抗機器や情報家電分野にも積極的に進出中であることをアピールした。Androidを、これらクラウド端末のOSとして最も有望と考えて、ソフトウエア開発者向けのサポートも、より手厚くしていく予定という。

 山田氏は、Android搭載機などスマートフォンの市場拡大が続くことに触れ、「2011年には、全世界でのスマートフォン出荷台数が、コンピュータ出荷台数を上回ると予測されている」とインパクトが急増していることを指摘した。

 Android搭載端末の分野では高いCPU能力への要望が強い。同社のチップ「Snapdragon」は、1GHz動作のARMコア、600MHz動作のDSPコアなどを含み、処理能力の高さが特徴である(写真2)。

 国内で発売中の端末では、東芝T-01A(Windows Mobileベース)に搭載されている。ソニー・エリクソン・モバイル・コミュニケーションズが2010年に発売予定のAndroid搭載スマートフォン「XPERIA X10」も、このSnapdragonを採用する。さらに、次世代製品として45nmプロセスを導入し動作周波数1.5GHzと高速化した製品を近日中に提供開始予定である(写真3)。

 山田氏は「ソフトウエア開発者が使うプラットフォームには、極力すべて対応したい」と述べる。同社のBREWだけでなく、Windows Mobile、Symbianなどに対応する。その中で「最も力を入れているといって過言ではないのがAndroid」と述べた。例えば、Androidを推進するOHA(Open Handset Alliance)の初期から参加している。また、世界初のAndroid端末G1、日本市場で最初に投入されたHT-03Aなど、現時点で発表されているAndroid端末の多くがQualcomm製チップを搭載する。今後も、台湾Acer社の「LIQUID」、前述の「XPERIA X10」など、同社のSnapdragonを搭載したAndroid端末が登場する予定である(写真4)。