■「TextSS」は複数のテキスト・ファイルの文字列を一括して置換することができるツールである。
■複数のファイルの特定文字列を簡単に置換できるのが最大の特徴。複数の置換文字列をしていできるほか,ワイルドカードや正規表現を使用した高度な置換作業も実行できる。
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「複数のHTMLファイルに含まれているヘッダー情報をすべて変更したい」「スクリプト・ファイルに含まれているフォルダ名をすべて別のフォルダ名に変更したい」といったように,複数のファイルに含まれている特定の文字列を一括して別な文字列に変換したいというケースがある。このような場合,通常はエディタで開いていって,文字列を検索して置換していく,といった作業をファイル1つずつに実行する必要があるだろう。だが,対象のファイル数が少なければともかく,数十あるいは数百のファイルを処理しなければならない場合には,手間がかかるだけでなく,ミスも発生しやすくなる。
複数のファイルにおける特定の文字列を効率よく置換するためには,何らかのツールを使うのが効果的だ。できれば,検索・置換のプロセスに対して,単純な文字列置換だけでなく,あいまい検索が可能な手段が用意されているほうが望ましい。さらに,正規表現を使用した置換手法が使用できれば,高度な置換作業も実行でき,強力なツールとなるだろう。今回紹介する「TextSS」は,まさにこのような処理を行うために適したツールである。
ワイルドカードや正規表現を駆使したきめ細かな置換が可能
「TextSS」は,大量のファイルにおける文字列の置換を効率よく,かつ正確に行うことができるツールとしておすすめのフリーソフトである。TextSSを使用すると,以下のような置換作業を実行可能だ。
(1)単純文字列置換,ワイルドカードを使用したファイル指定および置換文字列指定による置換,正規表現を使用した置換
(2)改行文字を含む文字列(つまり複数行にわたる文字列)を検索し置換
(3)改行コードの変換やバイナリ・コードの置換
(4)日本語コードの変換(シフトJISからEUCへの変換など)
(5)ファイル属性や拡張子を変更
こうした置換機能に加え,以下のような特徴がある。
●特定のフォルダを指定した際,サブフォルダも置換の対象にできる
●置換結果を確認しながらの置換,および置換結果をプレビューした後に置換を実行できる
●置換前のファイルをバックアップし(Temporaryファイルおよび拡張子*.bak),置換プロセスはログ・ファイルとして保存できる
●置換したい文字列のセット(TextSSではこれを「語句ページ」と称している)を最大10まで一度に使用可能
●あらかじめ検索語/置換語のリストを作成しておくことにより,一括置換が可能
これらの機能や特徴を活用することで,使い方によってはかなり高度な置換作業も可能で,きめ細かな文字列の置換プロセスも可能となる。また検索・置換のプロセスはかなり高速なので,この点でもおすすめできるツールの1つと言えよう。