ファシリテーション・テクニックを極める当研究所。現場で培ってきた数々のテクニックやノウハウの中から、即効性があるツールを紹介しています。第21回と第22回は、「タイムアウトルール」です。本連載の中で何回か出てきた「20分ルール」などのことです。「はい、おしまい」で済めば話は早いのですが、もう少し奥が深く、使い方のバリエーションもあります。今回は、チームワークに加え個人の生産性にまでよい影響を与えるタイムアウトルールについて紹介しましょう。

タイムアウトって何?

 まずは「タイムアウト」とは何かを考えてみましょう。言葉自体を聞いたことがないという方は、まずいないでしょう。ITの構築・運用に携わっていれば、「処理に時間がかかりすぎるときに、一定時間で処理を中断すること」を想像されると思います。

 しかし英語としての意味を辞書で調べてみると、「中断」に並んで「小休止」といった意味合いが出てきます。むしろ「休息や作戦を練るために競技を一時中断すること」という、スポーツの世界での「タイムアウト」=「小休止」が先頭に出てくるようです。バレーボールやバスケットボールの試合で目にする「ピーッ!タイムアウト!」というあれですね。

 では、実際にタイムアウトを取っている状況を見てみましょう。チームスポーツであれば、監督がタイムアウトを要求することで競技が中断され、選手がわらわらと集まってきます。そこでは、チームを機能させるために以下のような様々な手を尽くす時間として使います。

●作戦通り動けていないので作戦を再確認する
●作戦変更を伝える
●調子が出ていない選手の状況を確認する
●怪我をしてしまった選手を治療する
●選手を交代する
●とりあえず休む
●緊張しまくってガチガチの選手にビンタして目を覚まさせる
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