さまざまなバージョンのWindowsで「2009年11月25日リリースのソフトウエア・アップデートを適用したところ,デスクトップが真っ黒になり,エクスプローラの画面が1つしか表示されない」という苦情が寄せられている。この問題に対し,米Microsoftは同月30日(米国時間),調査を進めていると発表した。この問題は,青い画面を表示してクラッシュする「Blue Screen of Death=死のブルー・スクリーン」(今回の件とは無関係)になぞらえ,「Black Screen of Death=死のブラック・スクリーン」と呼ばれている。どうやらWindows NT/2000/Server 2003/XP/Vista/Server 2008/7で起きるらしい(関連記事:マイクロソフト,11月の月例パッチによる不具合を調査中)。

 Microsoft側は11月30日,「最新セキュリティ・アップデートが一部ユーザーのWindowsで問題を起こしているとの報告を受けており,現在調査中。調査を終えたら,問題の回避策または解決方法を詳しく説明する」と述べた。

 死のブラック・スクリーンを最初に報告したのは,セキュリティ・ベンダーの英Prevxだ。同社は修復につながる可能性のあるプログラムをダウンロード提供するとともに,回避策を紹介した(該当サイト)。ただし同社は,公開したプログラムも回避策も死のブラック・スクリーン問題を完全に解決するわけでないとしている。

 Prevxサポート部門のDave Kennerley氏は,「ブラック・スクリーンの原因は,Windowsのレジストリ・キー・ロックダウン処理に施した変更ではないだろうか。この変更は,レジストリ・エントリ更新時にACLの新しいルール適用を考慮しないと,複数の重要なエントリを無効化してしまう。当社の調査で,同様のブラック・スクリーン問題が起きる条件が少なくとも10種類見つかった」と話している。ちなみにこのACLとは「アクセス・コントロール・リスト」のことである。

 こうした状況をみると,深刻な問題のように思われる。ところが,Microsoftは調査開始から丸1日もたっていないうちに,前例のないアップデートを出し,これにより死のブラック・スクリーンは誇張された問題という可能性があることを示唆した。Microsoftの関係者によると,「これまでの調査結果から,Microsoftのサポート部門が起こした問題でないと判断している。Microsoftが出したセキュリティ情報やサポート技術情報(KB:Knowledge Base)に記載した既知の問題とも一致しない」という。

 今後,新たな情報が入り次第お知らせする。

■変更履歴
公開当初は「パッチを即座に公開」というタイトルにしていましたが,正しくはセキュリティ情報を更新しただけです。お詫びしてタイトルを訂正します。 [2009/12/03 23:10]