この年末商戦,米国の小売業者はミニブログの「Twitter」を大いに活用して販売活動を展開しているとNew York Timesが報じている。米国では感謝祭翌日のブラック・フライデーから約1カ月間が1年で最も消費が盛んな時期。景気低迷が続く中,この期間にできるだけ売り上げを伸ばそうと各社はさまざまな方法で消費者に訴えている。
その1つに各社が今年採用したのがTwitterだ。New York Timesの記事がTwitterを活用している企業として例に挙げているのは,家電量販店のBest Buy(画面1),玩具小売りのToys”R”Us,文具大手のStaplesをはじめ,百貨店やアパレルなど多岐にわたっている。
各社は,目玉商品やタイムセールの情報を発信したり,顧客からの苦情対応などにTwitterを利用したりしている。なかでもBest Buyは約2500人のTwitter担当スタッフを配置し,24時間体制で顧客からの問い合わせに応じているという。各社がこぞってTwitterを利用し始めた背景には,その目覚ましい普及ぶりにあると考えられる。米Nielsenの調査によると、Twitterの米国における今年6月時点のユニーク・ビジター数は前年から約20倍の2100万人となった。その成長スピードはソーシャルメディア・カテゴリの中で最速という。
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Twitterは,電子メールやSNSにはないユニークな特長を備えている。情報が随時公開されることや双方向性機能を持っていることで,企業の顧客対応はおのずと迅速になるとNew York Timesの記事は伝えている。その一方でWebサイトなどの告知とは全く異なる展開が図れ,企業にとってもメリットが多い。140文字という短いメッセージ(tweet=つぶやき)であるが故にもたらされる情報伝達の速さもTwitterの特長だ。共通の話題を簡単に見つけられる「hashtag(ハッシュタグ)」や,ほかのユーザーのつぶやきを自分のフォロワー全員に転送できる「Retweet(リツイート)」も利用できる。こうした機能で伝達の範囲はさらに広がっていく。
Twitterに注目しているは小売業だけではない,米Microsoftと米Googleはそれぞれ,Twitterと提携しTwitterの投稿内容を検索できるようにしている。米Yahoo!もTwitterとの連携機能を追加した。SNSの米Facebookや米Linkedin,クラウドベースCRM(顧客管理)の米Salesforce.comなどもTwitterと提携した。日本国内ではTwitterが携帯電話版サービスを開始したのに伴いウィルコムがTwitterを公式コンテンツに採用した。
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