Windows XPのスタート・メニューには,「最近使ったファイル」という項目があり,過去に開いたファイルの履歴からアプリケーションを起動できた。Windows Vistaでは,名前こそ「最近使った項目」に変わったものの,その機能自体には違いがなかった。ところが,Windows 7のスタート・メニューでは,この「最近使ったファイル」や「最近使った項目」というメニューがない。これはタスクバーに「ジャンプリスト」と呼ばれる機能が新たに追加されたためだ。今回は,Windows 7の新機能「ジャンプリスト」を紹介する。
Windows 7で追加された「ジャンプリスト」
「ジャンプリスト」とは,タスクバーのアイコンからポップアップするリストのことである。リストの中には「最近開いたファイルのショートカット」や,「アプリケーションのコマンド」などが並ぶ。このリストをクリックすることで,そのアプリケーションで最近使ったファイルを開いたり,アプリケーションの機能を呼び出したりすることができる。
この「ジャンプリスト」は,スタート・メニューのプログラム・リストから,表示することもできる。このスタート・メニューからの使い方については次回に詳しく解説するとして,今回はタスクバーから表示する「ジャンプリスト」を中心に説明しよう。
それでは早速「ジャンプリスト」を表示させてみよう(図1)。「ジャンプリスト」を表示するには,タスクバーのアイコンを右クリックする方法と,マウスの左ボタンでアイコンをデスクトップ側にドラッグする方法がある。後者のドラッグで表示するという方法は,タッチパネルで操作する際に便利だろう。キーボードを使って表示したいときは,[Windows]+[Alt]+[数字]キーを同時に押す。この際の「数字」は,アイコンがタスクバーの左から何番目かを表す。
ジャンプリストの内容は,アプリケーションによって異なる。多くのアプリケーションには「最近使ったもの」という欄があり,最近利用したファイルのショートカットを表示する。このリストから,開きたいファイルをクリックすれば,ファイルを読み込んだ状態でアプリケーションが起動する。
それ以外には「タスク」という欄もある。「タスク」には,アプリケーションのコマンドが割り当てられている。たとえば,Internet Explorer 8(IE8)の場合,タスク欄には,「InPrivate で閲覧」と「新しいタブを開く」という2つのコマンドがある(図2)。
「InPrivate」とは,閲覧情報などを残さないモードのことで,個人情報などを残したくない時に利用する。「新しいタブを開く」の方をクリックすると,IE8に新たなタブを追加する。どちらも「ジャンプリスト」を利用する方が,素早く起動できる。このように,各アプリケーションごとの独自メニューをジャンプリストに用意して,ユーザーの使い勝手を向上させることができる。