問題
問2 パレート図の使用が最も適切である分析対象はどれか。
ア 生産工程の信頼性
イ 製品の重量のばらつき
ウ 品質不良の要因ごとの構成比率
エ 二つの変動要素の間の関係
解説と解答
パレート図(Pareto Diagram)は,データをいくつかの項目に分類し,横軸方向に数値の大きい順に棒グラフとして並べ,その累積和や累積値を折れ線グラフで描いたものです。「QC7つ道具」の一つであり,どの項目を重点的に管理すればよいかを把握するのに適した図です。それぞれの選択肢を確認してみましょう。
選択肢アの記述について。生産工程の信頼性を分析し,信頼性の向上を図るためには,「信頼性が低い生産工程を対象として,その原因として考えられる要素を体系的にまとめ,本質的な原因を追及し,問題の解決策に役立てる」というアプローチが適しています。このような場合に使用される図として適切なのは特性要因図です。
選択肢イの記述について。製品の重量のばらつきを分析し,製造工程の異常を早期に発見するためには,「時系列に発生する製品の重量データを折れ線グラフでプロットし,工程の異常状態と正常状態を見分けるための管理限界線を利用して監視する」というアプローチが適しています。このような場合に使用される図として適切なのは管理図です。
選択肢ウの記述について。品質不良の要因ごとの構成比率を分析し,品質不良を引き起こす重要な要因を把握するためには,「品質不良の要因ごとの構成比率を大きい順に並べた棒グラフを作成し,その累積比率をもとに重点的に管理する要因を把握する」というアプローチが適しています。このような場合に使用される図として適切なのはパレート図です。
選択肢エについて。二つの変動要素の間の関係を分析するためには,「二つの変動要素をグラフの横軸と縦軸にとり,(x,y)のように対応づけて測定したデータの分布状況をプロットし,二つの変動要素の間にどのような相互関係があるのかを把握する」とういアプローチが適しています。このような場合に使用される図として適切なのは散布図です。
以上より,正解は選択肢ウです。なお,選択肢ウの「品質不良の要因ごとの構成比率」を分析対象としてパレート図を作成すると,次のようなグラフになります。
アプリケーションデザイナー 代表取締役