ソーシャルアプリケーションとスマートフォンを軸に、ゲームや漫画などのコンテンツをマルチプラットフォームに提供する仕組みの開発やコンサルティングを手がけるノボット。2009年4月創業ながら、この10月にはサムライインキュベートに対して第三者割当増資を実施するなど、急速に事業拡大している。ノボットの小林清剛社長に、ソーシャルアプリケーションとスマートフォンに着目する理由などについて聞いた。

ノボットでは、どのようなサービスを提供しているのか。

 広告ネットワークの比較・検索サイト「アドネットナビ」と、広告表示をiPhone用のアプリケーション別に最適化するサービスである「アドメーカー」を提供している。これに伴い、ゲームや漫画などのコンテンツを複数のSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)や携帯機器に配信するためのマルチプラットフォーム展開のコンサルティングも手がけている。開発から広告、決済まで一貫したサービスを提供したい。だが、自社開発・運用にこだわらず、ある部分では他社との協業も模索する。

ソーシャルアプリとスマートフォンが主戦場

 今後、最も有望なコンテンツプラットフォームは、ソーシャルアプリケーションであり、最も情報が表示される端末はスマートフォンだと考えている。だから、ソーシャルアプリケーションでは「mixi」や「モバゲータウン」、スマートフォンではiPhoneのアプリケーションなどに対応するコンテンツの開発とコンサルティングに注力している。

 これらコンテンツのマルチプラットフォーム展開は、海外が主戦上になる。今後は米国最大のSNSである「Facebook」向けにサービスを提供するなど、世界展開していく方針だ。

コンテンツのマルチプラットフォーム展開とは、具体的にどんなことをしているのか。

 2009年12月から始まる著名漫画家のコンテンツのマルチプラットフォーム配信が第一弾になる。この漫画家のコンテンツは、協業企業がiPhone向けにコンテンツを最適化している。弊社では、このコンテンツを他のプラットフォームでも展開できるように最適化したり、アドメーカーを使ってコンテンツに広告を配信したり、さらにはコンテンツの決済までができる仕組みを用意する。

 第一弾の開始以後は、数週間に1本くらいのペースで、コンテンツをマルチプラットフォーム展開していく。今期の売り上げはほとんどないが、来期には数億円規模の事業に育てられると考えている。