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ウィルコムの技術者が語るXGPの設計思想

[1]PHSの自律分散システムを継承したXGP

2009/11/16 日経コミュニケーション
出典:日経コミュニケーション 2009年10月15日号pp.46-49
(記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります)
目次一覧
船吉 秀人/ウィルコム 技術企画部 次世代企画グループ 課長補佐

 XGP(extended global platform)の技術を一言で説明するなら,「PHSの良さを継承しつつ欠点を補った技術」となる(表1)。

表1●XGPの諸元
XGPではPHSの技術要素を踏襲しながら高速化している。また,2次変調の方式では,モバイルWiMAXと同じOFDMAを利用する。
[画像のクリックで拡大表示]

 通信事業者にとって,PHSの魅力はなんといっても,基地局設置の容易さである。W-CDMAやCDMA2000といった一般的な広域無線技術の場合,基地局の設置は大変である。電波干渉を考えたうえで基地局を設置し,電波の出力調整をする。初回設置時から基地局の構成を変更しなくて済むのであればこれで終わりだが,実際には時間とともに状況は変わっていく。

 例えば,あるエリアでユーザー数が想定以上に増え,基地局の通信容量を超えてしまうケースである。この場合には,トラフィックを分散するためにそのエリアに基地局を追加する必要が生じ,その際に電波干渉を抑えるために周囲の基地局の出力を小さくする必要がある。しかし,この措置は初期段階に構成した全体的なバランスを崩す。結果として,さらに基地局を追加するなどの手当てが必要になる。また,高層ビルが立てられた際に電波をさえぎったり,反射させたりする可能性もある。この場合も基地局を再整備しなければならず,膨大な時間とコストが必要になる。

 一方,PHSやXGPではエリア設計の必要がない。エリア拡大時には基地局設置の許可が下りた場所に,厳密な設計をせずに基地局を置いていけば良い。もし,トラフィックが多くなったり,高層ビルによって電波状況が悪くなった場所が出れば,その場所に新たに基地局を追加するだけで済む。この際,周囲の基地局の出力調整は不要だ。こんなルーズな運用をしても,隣接する基地局間で干渉の問題が発生しにくい。つまり,設備投資費とランニング・コストをグンと下げられるのだ。

 これまでPHSの欠点とされてきたのは,通信速度の遅さや,セル半径が小さいことに起因するエリアの狭さ,高速移動への弱さだろう。XGPではこれらの欠点も解消しており,10Mビット/秒超の実効速度が可能になり,時速300km超の新幹線での通信も実現しようとしている。

 以下では,上記のような特性を持つXGPの設計思想を説明したい。

未使用領域を自律的に選んで利用

 まず,XGPにおいてエリア設計なしに基地局を設置できるのは,(1)DCA(dynamic channel assign),(2)AAS(adaptive antenna system),(3)ADC(autonomous distribution control)という三つの技術を採用しているからである。これらはPHSから継承した技術だが,DCA,AAS,ADCいずれも広帯域の無線システムに合った仕組みに対応させている。

 (1)のDCAは,相互に影響を及ぼす範囲にいる端末や基地局が同時に同じチャネルを使わないようにして,干渉を回避するための仕組みである。

 このDCAを理解するためには,まず,XGPのチャネル構成について把握しておく必要がある。XGPのシステムでは,周波数を900kHzごとに分割し,チャネルを確保している。さらにこれを時間方向に625マイクロ秒ごとに区切り,データを送出する(図1)。900kHzのチャネルで,625マイクロ秒ごとに区切られた無線リソースをXGPの規格ではPRU(physical resource unit)と呼んでいる。

図1●XGPの動的チャネル割り当て(DCA)の仕組み
品質が良い無線リソースを動的に割り当てる。なお,実際には周波数方向に900kHzで9分割または10分割しているが,この図では簡略化のため4分割で表現している。
[画像のクリックで拡大表示]

 さらにPRUは時間軸に沿って8個連続して配置し,上りと下りにそれぞれ4個ずつ割り当てる。つまり2.5ミリ秒(=625マイクロ秒×4)ごとに,上り通信と下り通信が切り替わるわけだ。この1サイクルを1フレームと定義している。このフレームのタイミングは,すべての基地局と端末で同期している。

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