ハイブリッド車や電気自動車といったエコカーが注目されている。環境に与える負荷が小さいことはもちろん、エコカーのオーナーの間で話題になっているのが、燃費効率がよい運転をしているかどうかをランキング形式で競うサービスだ。そんな中、エコカーのオーナーでなくても、“環境に優しい”運転技術を競えるサービスが登場する。

 どんな車に乗っていても、燃費効率の良い運転をしていることを競えるのは、アイ・アール・アイ コマース アンド テクノロジーが2010年1月に開始予定の新サービス「e燃費PREMIUM」である。自動車の運転状況を示すデータを携帯電話を使ってWebサイトに送信し、データを集計しランキングを作成する。

 新型のエコカーには、運転者がどの程度環境に配慮した運転をしているかを総合的に判断し、ランキングするシステムが搭載されている。ホンダの「インサイト」の運転者向けサービス「エコグランプリ」がそれだ。インサイトには燃費効率がよい運転をしているかを判定する「エコアシスト」と呼ばれる機能が搭載されており、そのデータをカーナビゲーションシステムの通信機能を使ってエコグランプリのサーバーに送信する仕組みだ。

図1●写真1●自動車から走行データを抽出する装置「燃費マネージャー」
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図2●写真2●「e燃費PREMIUM」の画面
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 トヨタは同社製車種向けカーナビ「G-BOOK」で同様のサービスを実現している。オーナーによる競争が過熱しているという。

 エコグランプリやG-BOOKでは、自動車に組み込まれた専用の機器や最新のカーナビを組み合わせて、これらの機能やサービスを実現している。これに対し、e燃費PREMIUMでは、内部にあるエンジン・コントロール・ユニット(EUC)から走行データを取得する「燃費マネージャー」と呼ぶ装置を搭載するだけでよい(写真1)。

 自動車ディーラーなどがメンテナンス時などに利用するコネクタを使って、EUCに接続するため、対象車種を選ばない。燃費マネージャーの液晶画面に走行データが表示されるので、高価なカーナビゲーションシステムも不要である。

 e燃費PREMIUMが集計する走行データは12項目ある。燃費のほかに、急発進をしていないか、急加速はしていないか、急ブレーキをしていないか、アイドリング率はどうか、エアコンの稼働率はどうかなどだ。各項目を5段階で評価し、そこから総合評価とランキングを算出する。結果は、携帯電話の画面で確認できる(写真2)。