電話機やUC(ユニファイドコミュニケーション)を利用した、ちょっとしたTipsやライフハックを紹介していく「能地・UCライフハック研究所」。今回は、音声や映像とは違った側面からUCを支えるインスタント・メッセージ(IM)を取り上げます。筆者が考える究極のUCの利用法は、IMを絡めた方法だったりします。

 日本企業におけるIMの利用状況は、筆者が勤務する日本アバイアが2009年3月に調査したところ、16%程度でした。まだまだ広く普及しているとは言いがたい状況です。そのため、IMのアプリケーション共有機能どころか、チャット機能にも馴染みのない方が多いかもしれません。

 今回は意気込んで、IMの便利さをとことん紹介します!と、言いたいところですが、筆者が実際にIMで使っているのは、基本的な機能ばかりです。なので、「こんな機能や使い方があります!」と紹介しても、どこかですでに紹介されている内容になってしまいそうです。例えばITProでは2007年に、『企業インスタント・メッセージのすすめ』と題した特集が組まれています。

 この特集では、IMの基本的な機能や利用上のマナーやTipsが、以下のように詳しく書かれています。

 『企業インスタント・メッセージのすすめ』
・電話、メールを補完するIM、その使い方
・会議中に相手に気づかれずにメモを渡すようなチャットの有効性
・上司の在席状況(プレゼンス)を参照して(or オンライン通知を受けて)から相談に行くTips
・在宅勤務の部下の在席状況を確認するTips
・携帯電話からIMするTips

 ここで紹介されている内容については割愛するとして、今回はプラスアルファの使い方を紹介したいと思います。ちなみに以下では、IMでの会話は『』で、電話での会話は「」で記載することにします。

営業担当者がIMで問い合わせてきた

 ある日のことです。いつものように?在宅で仕事をしていると、営業担当者のTさんから、『今、いいですか?』とIMが届きました。IMの場合、メッセージを受信するとポップアップウィンドウが表示されます。暗黙のルールとして、その時に行っている作業の切りがよいところで応答すれば、即答する必要はありません。

図1●インスタントメッセージ(IM)の画面例
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 しかし筆者は、どうもそれが出来ず、すぐに反応してしまう癖があります。『hai』と返信すると、『電話いいですか?』と確認されたので、『ok』と返しました。このとき、アルファベットで返信しているのは、英語での文書作成中に反応したためです。

 Tさんは顧客から今後の製品ロードマップについて聞かれたようです。そこで顧客に提出して良い資料がないか確認してきたのでした。「後でメールする」と伝えると、「能地さん(筆者のこと)は、そういった情報をどこから入手しているんですか?僕でも見られますか?」と尋ねてきました。なので、ロードマップが載っているURLをIMで送信してあげました。

 「あー、こんなサイトがあるんですね!」と感嘆しているTさんですが、「で、あの製品の情報はどこですか?」と対象製品が見つからない様子です。「スクロールして、ちょうど真ん中あたりにないですか?」と場所を示しても、一向にわからないようなので、「Tさん、アプリケーション共有のリクエストを送るので、承諾して下さい」とIMからリクエスト要求を送信しました(図1)。