今回は,仕事でよく使うPDFファイルの操作方法を学びます。Javaを利用して,家計簿をPDFファイルとして作成してみます。ついでにPDFファイルの読み込み方法も覚えることにしましょう。PDFファイルの扱い方を習得すれば,仕事の大きな手助けになるはずです。

こちらからサンプルプログラムをダウンロードできます。

 皆さんこんにちは,kikainekoです。この連載では,日々の定型的な業務をJavaで自動化してラクする方法を紹介しています。今回は,皆さんが仕事やプライベートでよく使っているPDFファイルをJavaから操作してみましょう!  便利なことに,JavaでPDFファイルを操作するためのオープンソースのツールが,いくつか提供されています。今回は,その中でも日本語の情報が比較的充実している「iText」というライブラリを使うことにします。iTextを使うと,JavaからPDFファイルを生成することができます(インストール方法は,以下のカコミ記事を参照)。

iTextのインストールと日本語対応

 iTextのインストールはとても簡単です。http://www.lowagie.com/iText/から最新のjarファイルをダウンロードしてください。今回はitext-2.0.6.jarを使用します。このjarファイルをクラスパスにセットすれば完了です。

 ただ,残念なことにこのままでは日本語を扱うことができません。日本語を扱うにはiTextAsian.jarという別のjarファイルが必要になります。これは,http://itextpdf.sourceforge.net/からダウンロードしてください。

 今回も,サンプルとして簡単な家計簿作成ツールを取り上げます。作成するツールのイメージは,図1のようになります。項目と金額が記述されたテキスト・ファイルを,合計金額を含む家計簿の形で表示するPDFファイルに変換して出力します。作成するツールの名前は「PDFCreator」にしましょう。

図1●作成する家計簿ツールのイメージと完成画面
図1●作成する家計簿ツールのイメージと完成画面

 このサンプル・ツールを開発するには,以下の2点を押さえる必要があります。

  • iTextを使ったPDFファイルの作成手順
  • iTextの概要

 今回はせっかくPDFファイルを扱うので,PDFファイルの作成方法だけでなく,すでに存在するPDFファイルをJavaで読み込む方法も同時に学ぶことにします。