根も葉もない作り話に引っかかる人もいるものだ。先日,あちこちのニュースサイトが128ビット版Windowsの開発について報じた。だが,この情報はまったくのデマである。一方,次期Officeでは超低価格版が提供されるという情報に関しては事実だ。

Take1:128ビット版のWindows 8をめぐる偽情報が飛び交う

 128ビット版Windowsの開発について報じたのは,PC World,Ars Technica,Slashdotなどのニュースサイトである。ビジネス向けSNSサイト「LinkedIn」に,米Microsoftの研究員を名乗る人物のプロフィール情報が見つかり,Windows 8用の128ビット版カーネルの研究と開発に従事していると記載されていたからだ。しかしこのプロフィール,どう考えてもデタラメだ。

 そもそも,この人物は存在しない。また,同社研究開発部門Microsoft Researchに,この名前の人物が在籍したことはない。肩書きも偽物だ。それに同社はWindows 8用の128ビット版カーネルの開発には着手していない。そして極めつけに,この人物の出身大学とされる学校は,Wikipediaの情報によると,ネット上で学位を売りさばいている団体だという。

 つまり,この情報には5つのうそが混じっている。賢明なライター諸氏なら,このうちの1つだけを見ても,この話がデマだと気付くはずではなかろうか。

Take2:Microsoft,Worksに代わる低価格版Officeをバンドル専用に提供

 Microsoftは米国時間2009年10月7日,統合ソフト「Works」をついに廃止し,代わりにOffice 2010の超低価格版「Office Starter 2010」を新規パソコンのバンドル専用として提供することを発表した。同製品はWordとExcelのみで構成し,広告を表示する。

 同社コーポレート・バイス・プレジデントの沼本健氏は,「これはWorksに代わる製品だ。単に名前を変えただけではなく,Office製品の1つとなる」と述べている。Office Starter 2010は無料ではないが,実質的には数ドル程度で,パソコンの購入価格に跳ね返ることはなさそうだ。