訪問時には、システム担当者だけでなく、事業部門の担当者を紹介してもらう。常に1日2~3社、合計で6~10人のユーザー企業の担当者と顔を合わせる。「先方がエレベーターに乗っている時間だけ、会ってもらえたこともある。どんなに短い時間でも時間を取ってもらえるなら会いに行く」と佐野は言う。顧客への訪問に対する熱意が、受注数の拡大につながっている。
受注後も顧客訪問を絶やさない。本当に顧客の意図をくみ取っているか、SEに顧客の要求が正しく伝わっているかを佐野は何度も確認する。その結果、佐野が手掛ける案件では、トラブルがまず起こらないという。顧客と開発部門の間に意識のずれが生じづらい。あっても早期に修正できるのでトラブルにならないのだ。
足繁く顧客を訪問して、顧客の要求を確認するのは、自社のSEの技術力を認めてもらいたいからでもある。「顧客に喜んでもらえるのがうれしいのはもちろんだが、SEの技術力を顧客に褒めてもらうことが、一番うれしい」と佐野は言う。意欲的に顧客を回る、佐野のモチベーションの源泉はここにある。
佐野は営業志望で入社したが、最初の1年間はメインフレーム向けミドルウエアの開発現場に配属された。このときに、企業情報システムの開発の基礎として、仕様確定の大切さを学んだ。同時に、自社SEの技術力が高いことも知った。当時の体験が、現在の佐野の営業スタイルに生きている。
TDCソフトウェアエンジニアリング
営業本部
社会システム営業統括部