ドライバー派遣業からEC物流支援業へ大きく舵をきったプラウド。自らもドライバーだった石山光博社長は、物流業界における経験とノウハウを生かし、インターネット時代における中小企業のためのバックエンド業務に商機を見出す。経験に基づく経営感を武器にする石山社長に、新事業にかける意気込みなどを聞いた。(聞き手は島田 昇=日経コンピュータ)
EC関連サービス市場は激戦区。どんな事業で勝負するのか。
2009年6月に開始した「EC物流」を、今後の主力事業にする。主に中小のネットショップを対象に、超高速配送を実現するサービスだ。通常、物流会社が商品発送を受け付けてくれるのは16時までだが、当社は20時まで受け付け、しかも翌日午前中に配達する。大手通販のアマゾンの高速配送にもひけをとらない物流品質だと自負している。
この10月からは、商品撮影サービスも始めた。ネットショップにとって写真は命。これをプロのカメラマンが本格的な設備の中で撮影する。料金は10商品2万9800円からと格安にした。
当社はこれまで、ドライバーに特化した派遣業務を主軸に成長してきた。これといった競合もなく、着実に成長を続け、年間12億円を売り上げるまでになった。ただ、派遣法改正の影響を受け、成長を続けていくのが難しい状況になった。そこで目をつけたのがEC(電子商取引)における物流に特化したサービスだ。
出だしは好調か。
総合スポーツショッピングサイト「eSPORTS(イースポーツ)」の業務を請け負ったほか、数社と契約できている。特にイースポーツは、キャンプ用品から健康用品まで6万点を品ぞろえしているECサイトだ。これだけの品ぞろえに対応できることこそが当社の強みだ。現場を知り、路線網や集配の仕組みが分かっているからこそ、必要な情報を集められるし顧客ニーズに応えられる。
EC物流は2010年3月期に、4億〜5億円の売り上げになる見通しだ。確実に当社事業の柱に育っている。
物流がネットショップ成長の足かせに
この不況期にあってもEC市場は成長している。年間20%は伸びているといわれている。こうした成長の波に乗る中小ネットショップの中には、成長するがゆえに物流で悩んでいることが多い。出荷業務に忙殺されてしまうのだ。
従業員数が少ないネットショップが成長期に入ると必ずぶつかる壁が、1日におよそ300以上の商品を滞りなくどう出荷するかである。納品が遅れることにより顧客サービスの品質が低下するし、物流コストもかさむという悪循環に陥る。こうした壁は、成長し始めた企業には常に付いて回る。
EC物流では、こうした問題を解決するためにまず、顧客企業の物流全体についてコンサルティングし、物量の増加に合わせた物流業務を設計する。例えば、当社が東京に用意する物流倉庫では、顧客の商品特性に合わせて配置をレイアウトする。冷凍食品などの食料品から家具などの大型商品まで、それぞれに最適かつ出荷しやすい体制を整えられる。