【イントロ】先人が使う運用管理ツールを知ろう

本特集で紹介するツールの大まかな分類
本特集で紹介するツールの大まかな分類
ツールは,ネットワークの構築,運用監視の場面別に整理して紹介する。そのほか,手軽に使える機器もいくつか取り上げた。
[画像のクリックで拡大表示]

 ネットワークの構築や運用管理に携わっていると「ルーターの設定を変更したい」,「このトラブルの原因を特定したい」などと思う場面が増えてくる。こうした場面では,習得した知識を生かすことが欠かせない。さらに,それらを素早く終えたい,間違いなく終えたいということになると,便利なツールがモノをいう。

 ネット構築・運用管理の最前線で活躍している「先人」も,日々の作業にいろいろなツールを活用している。今回はそれらの中から,あまりコストをかけず手軽に使えるものを紹介してもらった。紹介者はユーザー企業,通信事業者,データ・センター事業者,インテグレータなどさまざまだ。ツールが主だが,作業に役立つ機器も挙げてもらった。

 紹介してもらったツールを利用場面別に整理してみると,(1)パケットの内容を確認,(2)機器の設定情報を確認,(3)トラフィックの状況を確認,(4)ネット機器に設定を入出力,(5)通信の疎通を確認,(6)サーバーの状態を管理,(7)その他の便利なツール,(8)ちょっと便利な機器──の八つになった(図1)。どの場面も,ネットワークの構築や運用管理の中に出てくるので,一通り目を通して役立ちそうなツールがあったら試してみてはいかがだろうか。

良いツールの探し方にはコツがある

 先人の話からは,良いツールを見つけるためのコツや心構えも見えてくる。いろいろな人の話を聞き,ツールを使うのに必要な知識をどんどん学ぶことが大事なようだ。まず情報源としては,会社の先輩や取引先,そしてインターネットというケースが多そう。オリンパス IT基盤技術部 運用基盤グループ チームリーダーの江藤 公信さんは「システム・インテグレータの方と話をしているときに,役立つツールを紹介してもらったことがあります。インターネットや雑誌で知ることもあります」と話す。

 操作画面が日本語であることに,あまりこだわる必要もないだろう。著名なツールは,有志や販売代理店が日本語化しているケースがあるが,そうでなくても良いツールは数多い。「英語版のツールも多く使っています。日本語版があるツールにしても,機能などを正しく理解するため文献は英語のものを読むのがいいと思います」(NTTコミュニケーションズ NWマネジメントサービス部 主査の吉田 優子さん)という意見もある。また,本特集で紹介するツールの中には,Linuxで動作するものも結構ある。Windowsにこだわることなく,機会を見ていろいろなOSの使い方を学ぶのも一つの手だ。

 それでは,先人が紹介してくれたツールを順番に見ていくことにしよう。