仮想化技術を活用するための製品を一挙展示。多彩なデモを通じて,サーバーやストレージなどプラットフォームを仮想化するメリットが実感できる。併設のシアターでは,製品や技術,仮想化の利用動向などを解説する。

「プラットフォームを見直してコスト削減につなげたい」──企業情報システムが直面する大きな課題である。施策の一つとして,仮想化の存在感は増すばかりだ。
仮想化はサーバーやストレージ,ネットワークといったプラットフォームを論理的に管理できる技術。物理的な「在りか」やキャパシティを意識することなく,必要なときに必要なだけコンピュータリソースを調達できる。多くの企業が仮想化を取り入れ,プラットフォームの最適化に挑んでいる。
どんな技術であろうと,メリットを享受するには製品知識やノウハウが不可欠だ。本パビリオンでは,仮想化技術を活用するための製品を一挙展示する(表)。
パビリオン内のシアターでは,仮想化を活用するための勘所を,担当者が解説する。そのテーマは,「インフラ仮想化のポイント」「仮想化環境での運用課題」「クラウドに向けた取り組み」など幅広い。解説や多彩なデモンストレーションを通じて,仮想化のメリットを感じていただきたい。
仮想化は,いまだ発展途上にある技術である。なおさら動向は注視しておきたい。その動きをキャッチアップしたのが,日経BP社が10月に発行したムック「仮想化大全 2010」だ。最新テクノロジーの解説やユーザー事例を盛り込んだ。シアターでは,ムック制作に携わった記者が日替わりで仮想化の動向を解説する。
クラウドの基盤を支える
今,多くの企業が取り組んでいるのが「サーバー仮想化」である。主な目的は,部門や拠点に散在するサーバーを効率よく統合すること。
これまで仮想化によるサーバー統合は,ファイルサーバーなど“軽いサーバー”が中心だった。しかしここに来て,その対象がサーバー全般へ広がり,DBサーバーやERPパッケージを仮想化する事例が現れた。製品の進化やノウハウの蓄積などにより,性能や信頼性が高まってきたからだ。
サーバー仮想化を実現する製品には,「Citrix XenServer」(シトリックス・システムズ),「Hyper-V」(マイクロソフト),「Oracle VM」(日本オラクル),「Sun xVM Server」(サン・マイクロシステムズ),「Virtage」( 日立製作所),「VMware vSphere」(ヴイエムウェア)などがある。
Hyper-Vは,Windows Server 2008 R2の登場を機に,バージョンが2.0に上がる。新バージョンでは仮想マシンをオンライン状態で移動させる「Live Migration」などの機能が加わった。本パビリオンの「Hyper-Vコーナー」では,こうした新バージョンの機能をいち早く体験できる。
ストレージやネットワークにも仮想化の波は及んでいる。ストレージ容量を仮想化して用いる「シンプロビジョニング」の利用事例も増えてきた。クライアントの動向に目を転じると,「Citrix XenDesktop」や「VMware View」といった「仮想デスクトップ」を実現する製品も出そろった。
サーバーやストレージ,ネットワークなど情報システムを丸ごと仮想化する「オール仮想化」。その行き着く先は仮想データセンターであり,クラウド・コンピューティングを支える基盤である。本パビリオンで仮想化の現状と可能性を実感してほしい。