米Microsoftが米国時間2009年9月24日に開催したVenture Capital Summitで,同社CEOのSteve Ballmer氏は,モバイル機器用OS「Windows Mobile」の展開の進め方が芳しくなかったことを認めた。その結果,スマートフォンに電撃参入した米Appleに消費者向け市場の開拓を許してしまった。この形勢を巻き返すべく,次期メジャー・バージョンの「Windows Mobile 7」では,「新たな人材」を投入したという。

 「同じ間違いは二度と繰り返さない」とBallmer氏。Windows Mobile 7の開発が遅れたために,当初は予定になかった中間バージョンの「Windows Mobile 6.5」を今年投入せざるを得なくなったことを語ったものだ。「我々のヘマだった」と同氏は述べた。

 同社はここ最近,スマートフォン市場での不振に関して非難を浴びている。ビジネス市場の売り上げでは,カナダのResearch In Motion(RIM)の「BlackBerry」の後塵を拝しているし,消費者向け市場では,Appleの「iPhone」が米国を中心に新たな需要を掘り起こしている。さらに,米Googleの携帯プラットフォーム「Android」のように,Webサービスと携帯機器が独自の融合を遂げた新たな競合製品も登場している。

 そんな競合他社との差を縮めるために開発したのが,“つなぎ”バージョンのWindows Mobile 6.5だ。端末は,端末メーカーや携帯キャリアから10月に発売となる(関連記事:Microsoft,「Windows Mobile 6.5」携帯電話の発売は10月6日)。その一方,Windows Mobile 7の登場は,早くても2010年後半となる見込みだ。だが,さらに遅れそうな兆候もある。その一例が,11月のProfessional Developers Conference(PDC)でWindows Mobile 7を展示しないという同社の発表だ。次世代の携帯プラットフォームをお披露目する場としてPDCはうってつけなはずだが,その計画はないという。