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行政改革の観点から「i-Japan戦略2015」を読む(3)

i-Japan戦略の具現化に向けた課題

2009/10/15

文:安達 和夫(リサーチネットワーク 代表取締役研究員/東アジア国際ビジネス支援センター〔EABuS〕 事務局長)

 これまで、わが国の電子政府・電子自治体の経過と、韓国と米国を例にこれまでの経緯を振り返ったが、この2カ国における電子政府の狙いの共通項目は、前回述べたi-Japan戦略2015に書かれた「国民利便性の飛躍的向上」「行政事務の簡素化・標準化」「行政の見える化」という戦略目標と多くの部分で合致することが分かる(これまでの記事はこちら → 第1回 第2回)。同時に、これまでの一連の戦略目標が「世界最先端のIT国家の実現」「電子申請利用率50%の実現」といった目標であったことに比べ、今回のそれは、行政そのものの改革に踏み込んだ、より深い内容になっていることが見てとれる。

 さて、i-Japan戦略2015では、これらの重点計画は2009年度中に具体的な施策や実現工程を立案することになっている。

 戦略目標が大きいだけに、立案過程には細心の注意と不断の決意を持った実行体制が必要であるのが当然である。それだけに、今回の構想立案に当たっては従来とは異なる体制を作り上げる必要がある。

従来とは異なる構想立案・推進体制が必要

 従来の電子政府構築に当たっては、各府省から施策を集めてそれを調整する方式が採られていたが、そのような積み上げ方式ではi-Japan戦略2005の実現は困難である。なぜなら、i-Japan戦略2005では各府省の垣根を超えるのみならず、長く定着した行政の仕組みそのものを変革していくことが求められているからである。

 まず、強力な権限を持ったトップダウン型の立案・推進体制を作ることが前提となる。前にあげた韓国や米国では、CTO(最高技術責任者)やCIO(最高情報責任者)を中心にトップダウンでガイドラインが立案され、各省庁はガイドラインに沿った仕組みを提案し、厳正なパフォーマンス評価の結果承認されたプロジェクトが推進され、さらにそのプロジェクトの効果も評価されるというPDCAサイクルが維持されている。

 i-Japan戦略2015にもPDCAサイクルの制度化については述べられているが、誰がどのような体制で評価するかが問題である。韓国の場合は大統領府の意を受けたCIO(通常は行政安全部の責任者)がその任にあたり、オンライン化委員会がサポートする体制になっている。米国の場合は行政予算管理局(OMB)が法のもとで横断的な推進役兼監視役となり、米国会計監査院(GAO)は議会の要請に基づいて建設的な評価を行っている。

 わが国の場合も、立案・遂行権限を一本化し、さらにその運用を行う組織体制を固める必要がある。i-Japan戦略2015では「政府CIO」という機能が設定されているが、政府CIOを機能させるための具体的な根拠と、それを支援する組織体制の確立がまず急務であると考える。

>>法体系の整備と見直しが喫緊の課題
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