【第1問】
 2007年後半から急速に広まってきた「クラウド・コンピューティング」。この言葉を使い始めたのは誰でしょうか。
【選択肢】正解
A  米グーグルのエリック・シュミット氏
B  米セールスフォース・ドットコムのマーク・ベニオフ氏  
C  米サン・マイクロシステムズのスコット・マクネリ氏  

正解は選択肢Aです。

 クラウド・コンピューティングは,米グーグルのエリック・シュミット氏が2006年8月ころに,ネットでつながった先のコンピュータ資源を雲(クラウド)にたとえたことが語源とされています。概念自体は以前から存在したもので,それほど目新しいものではありません。シュミット氏が雲(クラウド)に例えたのをきっかけに,主要企業の活動を「クラウド・コンピューティング」という言葉を使って説明することが多くなりました。

 マーク・ベニオフ率いる米セールスフォース・ドットコムは2001年から,クラウド・コンピューティングの1つの形態であるSaaS(Software as a Service)型のCRMアプリケーションを提供してきました。スコット・マクネリが創業したサン・マイクロシステムズのモットー「The Network is the Computer」も,概念としてはクラウド・コンピューティングに連なるものです。




【第2問】
 クラウド・コンピューティングでは大量のデータを処理するため,既存の企業情報システムではあまり使われていない分散・並列処理型のデータ管理技術を使うのが主流です。その名称として正しいものはどれでしょうか。
【選択肢】正解
A  オブジェクト指向データベース  
B  キー・バリュー型データストア
C  マスターデータ管理システム  

正解は選択肢Bです。

 キー・バリュー型データストアは,データを「キー」と「値(バリュー)」という単純な構造で保存するデータ管理手法です。リレーショナル・データベース(RDB)における「カラム(列)」のような構造はありません。1つのレコードに含まれる複数のデータは,属性情報をタグ付けしてBLOB(Binary Large Object,構造を持たないビット列)として格納します。このBLOBを「値(バリュー)」として管理します。基本的な検索方法は「全件検索」です。

 キー・バリュー型データストアは,RDBに比べてデータ構造をシンプルに保つことができ,データを複数のサーバー(ノード)に分散させてシステム全体の処理性能を高めるのが容易です。グーグルやアマゾン,マイクロソフトなど,多くのクラウドサービス事業者が採用しています。

 オブジェクト指向データベースは,データとそれに対する手続きを一体化した「オブジェクト」を格納できることが特徴で,オブジェクト指向システムのデータストアとして利用したり,音声や動画,静止画などのマルチメディアデータを扱ったりするのに適しています。マスターデータ管理システムの役割は,企業の製品や顧客,組織の基本情報などを登録した「マスターデータ」の管理です。