トラブルは,企業ネットにつきもの――。調査では,そのような実態も明らかになった。ここ2年の間にトラブルに遭遇した企業は60%と過半数を占めた。企業は,1年間におよそ3分の1の確率でトラブルに遭遇している計算になる。
トラブルは,ネットワークが大きいほど起こりやすい(図11)。当然のことながら,ネットワークは規模が大きくなればなるほどネットワーク機器やサーバー,パソコンなどの台数が増える。そのままでは障害の件数が増えるのは避けられない。冗長化などの障害防止対策によっても,トラブルの発生増を抑えられないという姿が見えてくる。
意外に多い人的ミス
トラブルの内容や原因はまちまちだ。トラブルを認識したきっかけは,Web,メール,業務システム,ファイル共有――とまんべんなくばらけている(図12)。トラブルの発生場所は有線LAN用ネットワーク機器が1位だが,突出しているというほどではない(図13)。ここに気を配っていればトラブルをすぐに解決したり,トラブルを未然に防げるといった対策はなさそうだ。
トラブルの原因は,ハード故障,ハードの一時的障害,人的ミスと続く(図14)。人的ミスはソフト障害やサービス障害より多く,ハードの一時的障害とほぼ同じ割合だ。質問は複数回答。大きなネットワークになると,トラブル当たりの原因は2件を超える。対処が難しい複合的な原因のトラブルが多い。
トラブル解決に試した手段と最も役立った手段も聞いた(図15)。ネットワーク機器のリセット・再起動とネットワーク機器の交換・修理の多さが目立つ。
第1段落の最後の文章で「確立」としていましたが,正しくは「確率」です。お詫びして訂正します。本文は修正済みです。 [2009/10/07 22:00]