スカイアーチネットワークスは,システム運用代行サービスの提供を中核に,データセンターのコンサルティングやホスティング,ハウジングなど各種サービスを提供している(写真1)。自社施設は所有せず,都内数カ所で展開しているデータセンターは,いずれも他社施設の一部区画を借りたものだ。
自社施設を持たない理由について,同社の江戸達博氏(代表取締役社長)は「データセンターは賃貸ビルと同様,古くなると借り手がつきにくい。借り手が残っていると,改築もままならないため」と説明する。大規模事業者なら,複数施設の所有でリスク分散を図れるが,同社のような中小規模の事業者の場合はそうもいかない。
「不動産会社と同じことをしている」
そこで同社は,自社施設を持たないことを逆に利用して,第三者の立場から顧客のデータセンター選びを支援するサービスを提供している。その一つが,データセンター選択についての無料コンサルティングを行う「データセンター比較ガイドマップ」と呼ぶサイトの運営だ。Googleマップのユーザー・インタフェースを使って全国約60カ所(2009年9月8日現在)の施設を検索できる機能がある。加えて,都内のデータセンターを探している顧客向けに,3~4 カ所の施設を実際に案内するサービスも別途提供している。「不動産会社は顧客の希望を聞いて車で案内する。それと同じことをデータセンターを対象に行っている」(江戸氏)。
主力サービスである,運用代行付きのサーバー・ホスティングの特徴は,CPUコア数やメモリー容量,ハードディスク容量が異なるサービス・プラン間で,移行費用が安いこと。上位プランへ移行する際は初期費用の差額に1万円を加算した金額,下位プランへの移行時は1万円で応じる。サーバーに仮想化ソフト(Parallels Virtuozzo Containers)を導入しており,仮想化環境の他サーバー展開が容易なことから,プラン変更費用を抑えた。
ワンモア・ポイント
運用代行サービスでは,顧客企業1社に1人以上の担当者がつき,導入コンサルティングから設計,設置,監視,障害対応といった作業を実施する。要望があれば,ヘルプデスク・サービスの提供や,業務アプリケーションなどカスタム・アプリケーションの運用代行にも応じる。
●名称:スカイアーチデータセンター
●場所:東京都品川区
●最寄り駅:東京臨海高速鉄道りんかい線 天王洲アイル駅
●料金:運用代行付きのホスティングは月額9万6500円(仮想化サーバー。提供コア数は2,メモリーは4Gバイト,ハードディスクは150Gバイト)