サービス業などにおける人員配置を最適にするソフトを開発・販売するウィンワークス。2009年9月からは、勤務表を作成する際に、マネジャーとスタッフがTwitterを使って効率よくやり取りするためのサービスも開始した。サービスのコンセプトなどについて、創業社長の渡邊邦昭氏に聞いた。同氏は、旧日本DEC(現日本ヒューレット・パッカード)の社長などを歴任してきた人物だ。(聞き手は島田 昇=日経コンピュータ)

ウィンワークスの主要事業は何か。

 ピープルパフォーマンス・マネジメント(PPM)を推進するソフト「WINWORKS One」と、勤務計画に関するマネジャーとスタッフのコミュニケーションを支援するツール「Mrs.RIC」を提供している。これらを小売店や飲食店といったサービス業に向けて提案している。

 WINWORKS Oneは、サービスの需要予測と、予測に応じた勤務計画を最適化する二つの機能を持っている。利用者は、例えば店舗における過去の販売関連データを入力すると、季節や曜日、時間帯ごとの需要を予測でき、同時に最適な人員配置案を作成できる。これら需要予測と人員配置を知ることで、利用者は過不足のない効率的な勤務計画を立てられる。

 スタッフの大半が日勤であればWINWORKS Oneで事足りる。だが、勤務する曜日や時間帯がバラバラだったり、アルバイトがスタッフの大半を占めたりする業態では、マネジャーとスタッフが勤務計画表を作るために何度もやり取りしなければならない。こうした需要に対応するのがMrs.RICだ。

 Mrs.RICは、Twitterをベースにしたコミュニケーションツールで、マネジャーとスタッフ間における勤務計画表を決めるやり取りが簡単な操作で完結する。アルバイトスタッフの利用を考え、携帯電話からも操作が可能だ。WINWORKS Oneとの連携もできる。

Mrs.RICではTwitterをベースにする必要性がなさそうだ。

 それは違う。我々は約2年前からマネジャーとスタッフがコミュニケーションを取るために最適なインフラを探してきた。そのうえで、Twitterが最も適したインフラであると判断している。例えば、メールベースでは、マネジャーにすればメールの受発信や情報をシステムに入力することが面倒だし、スタッフにはプライベートなやり取りの中に業務連絡が入ることは嫌がられる。

 Twitterなら、情報の受発信やその際の文章作成を自動化するシステムが、APIを活用して作ることができる。コミュニケーションするための操作も簡単だ。Mrs.RICでは、一部のやり取りにメールも使うが、Twitter上では業務連絡とプライベートなメールを極力分けられる。

 米シリコンバレーではすでに、Twitterとスマートフォンを組み合わせた事業モデルが注目を集めている。PCのアウトレット販売情報をTwitterで流したり、ピザ販売店が新規顧客の獲得や囲い込みを目指して注文を楽しくするためのゲームを用意したりするなど、多数のサービスが提供されている。今後は、PCが不要になる時代になり、ほとんどのサービスがTwitterとスマートフォンに置き換わっていくだろう。