米Microsoftは,Windows 95以来の一大イベントとの予感を呼ぶWindows 7の発売に向けて,旧来のやり方とは違う積極攻勢を続けている。米国時間2009年9月15日に米投資銀行主催のカンファレンスに登場したMicrosoft企業戦略担当ゼネラル・マネージャのCharles Songhurst氏は,Windows 7は業界の活性化を促し,大勢からそっぽを向かれたWindows Vistaの悪評に終止符を打つとの見通しを語った。

 「Windows 7は実に見事な製品だ。Windowsがもたらす技術革新への認識を一新させる。そして,Windowsが好調なら,Microsoftも好調だ」と同氏は述べた。一方,Vistaについては,「良いとは言えなかった」と述べ,リリース時期と製品イメージが原因で傷を負ったとの認識を示した(筆者としては,狙いが不明確という点も付け加えたいところだ)。

 同時に同氏は,ネットブックの隆盛と,同社の収支への影響についても語った。パソコン本体の売り上げに応じて同社が得るライセンス料はネットブックの方が少なく,ネットブック人気は同社の収益に多大な影響を及ぼしている(関連記事:Microsoftはどこへ行く?)。同氏によると,通常のパソコン1台につき同社に入る金額は平均で約50ドルとのことだが,ネットブックの場合はずっと低い(現在はおそらく12ドル程度だが,Windows 7では約25ドルとなる)。

 だが同氏はネットブックについて,世間の憶測とは違い,総合的に見てマイナスにはならないと考えている。「我々としては,売り上げの上乗せととらえている。これは新たなシナリオだ」。言い換えると,ネットブックは,既にパソコンを何台か持っている家庭が追加で購入しており,高性能なパソコンを置き換える存在にはなっていないということだ。同社としては,まもなく発売するWindows 7で,多くの人が新型のハイエンド・パソコンへ買い換えることで,売上高も伸びると期待している。

 Windows 7の発売日は2009年10月22日。同OSを搭載したパソコンがメーカー各社から登場するほか,小売り版とダウンロード版の単体製品もある。Windows 7の詳しい情報については,筆者のサイト「SuperSite for Windows(英語)」も参照してほしい(編集部注:日本でもWindows 7ウオッチというサイトを用意している)。