成長性ランキング(1位~3位)

 2008年度に増収だった企業は対象178社中78社で、全体の約4割しかなかった。前回の調査で74.6%(対象企業は169社)が増収を達成したのに比べると、大きな差である。売上高伸び率の平均値は0.9%。こちらも前回の4.8%から下がった。

 成長性ランキングの上位10社の顔ぶれは、前回とは全く異なる。首位は、前回75位だったオージス総研だ。同社は2008年4月、三井住友銀行のシステム子会社であるさくら情報システムを連結子会社化し、売上高伸び率55.2%を達成した。

●成長性ランキング(4位~10位)<br>・黒文字の会社名は連結決算の企業、青文字の会社名は単独決算の企業<br> ・連結初年度の企業は除外した<br> ・売上高伸び率は小数点第2位を四捨五入して記載した。ランキングは四捨五入する前の数値で順位を付けてい
[画像のクリックで拡大表示]

●成長性ランキング(11位~30位)<br>・黒文字の会社名は連結決算の企業、青文字の会社名は単独決算の企業<br> ・連結初年度の企業は除外した<br> ・売上高伸び率は小数点第2位を四捨五入して記載した。ランキングは四捨五入する前の数値で順位を付けている
●成長性ランキング(1位~30位)
・黒文字の会社名は連結決算の企業、青文字の会社名は単独決算の企業
・連結初年度の企業は除外した
・売上高伸び率は小数点第2位を四捨五入して記載した。ランキングは四捨五入する前の数値で順位を付けている
[画像のクリックで拡大表示]

 2位のキヤノンITソリューションズ(前回18位)も、M&A(企業の合併・買収)により売上高伸び率が53.2%を実現し、順位を上げた。同社は2008年4月、キヤノンシステムソリューションズを母体に、アルゴ21が合併してできた会社。2008年3月期に、アルゴ21の通期の実績が加算されたため、売上高が大きく伸びた。

 ラックホールディングスが3位に入ったことも目を引く。2008年7月、ニイウス コーから譲り受けたディーラー事業を基に設立したアイティークルーが、増収に貢献した。アイティークルーは、IBM製品を中心としたハード/ソフトの販売と、顧客企業へのシステム基盤の開発、運用・保守サービスを手掛ける。

 成長性のトップ10は、M&Aによって売上高を伸ばした企業がほとんどだ。5位のイグアス(旧サプライバンクと合併)、6位のフリービット(ドリーム・トレイン・インターネットを連結子会社化)もそうである。

 今回は、富士通のグループ2社が順位を上げてトップ10入りした。7位の富士通北陸システムズ(前回25位)と8位の富士通システムソリューションズ(同11位)だ。富士通北陸システムズは、富山富士通からソフトウエア製品開発事業を継承したことで増収。富士通システムソリューションズは、富士通から流通業向けSI事業を引き受け、売り上げを増やした。

 得意分野により、上位10社に入った会社もある。国際航業ホールディングスは、GIS(地理情報システム)関連ソリューションが好調で、売上高伸び率が43.2%になり、前回の56位から4位に浮上した。9位のニッセイ情報テクノロジー(前回4位)は、親会社である日本生命保険を含めた保険会社からのシステム開発案件を増やした。

 99位から10位と大きく順位を上げたのが、東北電力グループの通研電気工業だ。親会社である東北電力のテレビ会議システムの構築を手掛けたことが、増収の最大の要因である。

●成長性ランキング(31位~70位)
●成長性ランキング(31位~70位)
[画像のクリックで拡大表示]