IT関連サービスの調査対象は、コンサルティング/上流設計関連(メーカー/情報サービス会社の別)、システム開発関連(同)、システム運用関連(同)、ネットワークサービス(新型/旧型の別)の8分野。ランキングは、回答数が全体の3%以上かつ30件以上のIT企業が対象。回答数が20件以上のIT企業は参考として、ランキング外に50音順で掲載している。

【ランキング表の見方】
●表中で、濃い赤は項目ごとの平均点より5点以上高い値、薄い赤は2.5点以上高い値
●表中で、濃い青は項目ごとの平均点より5点以上低い値、薄い青は2.5点以上低い値
●表中の重視度は回答企業が「特に重視している項目」として選んだ割合。「15」とある場合は、回答企業の15%が選択したことを示す。総合満足度は各項目の満足度を重視度に応じて加重平均している。上位3項目には色を付けた

■ITコンサルティング/上流設計関連サービス■
一歩抜け出るIBM、NTT西が初の1位に

 メーカーでは日本IBMが前回に続き1位に立った。原動力は重視度が1番目と2番目に高い「知識・ノウハウの豊富さ」と「成果物の品質」で、前回より4ポイント以上引き上げたことだ。2位との差が前回の0.4ポイントから2.4にまで広がり、一歩抜け出た格好だ。同社は、「業種別のソリューション提案にシフトしてきたことが好成績につながった」と分析している。

 2位には、前回4位の富士通が浮上した。「業務分析力」と「サービスの利用料金」を4ポイント近く改善した。NECも「業務分析力」と「予算の順守度」を約4ポイント改善し、前回の最下位を脱している。逆に、前回2位の日本ユニシスは最下位と低迷した。「2009年4月に佐賀銀行において、契約上の問題からシステムを稼働できなかったことが金融系の満足度を低迷させた」と同社は分析する。

 情報サービス会社ではNTT西日本が前回5位から一気に1位に立った。「知識・ノウハウの豊富さ」や「予算の順守度」で70点台の高得点を挙げ、総合満足度を5.3ポイント改善した。同社は「経費削減や新型インフル対策など時流に合った提案が奏功した」とみる。

 その後ろには、0.6の僅差で富士通エフサスが、その0.7ポイント後ろに前回1位のリコー/リコーテクノシステムズが続く。

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■システム開発関連サービス■
2連覇の日本IBM、NTTデータが初の栄冠

 メーカーでは日本IBMが前回に続き1位になった。重視度が最も高い「システムの品質」を前回より6.6ポイント改善するなど、コスト以外の項目で平均5ポイント近く前回結果を上回った。ただ「サービスの利用料金」は前回より9.2ポイント落ち、全社平均との差は13.2にまで開いた。同社は「リソース調達やプロセス改善をグローバルで進め、料金の満足度を高めたい」と話す。

 2位には、日立製作所が着けた。「プロジェクトマネジメント力」を7.3ポイント上昇させたことが効いている。3位は前回の最下位からNECが浮上。「システム設計力」を7.3ポイント改善し、総合満足度を2.1ポイント高めている。前回2位の日本ユニシスは総合満足度を4.9ポイント下げ最下位に後退した。

 情報サービス会社では、NTTデータが初の首位に立った。前回より総合満足度を8.6ポイント伸ばした。なかでも「プロジェクトマネジメント力」は、 14.6ポイント改善し77.6点を得ている。同社は「3年前から取り組んだ社内資格と人材育成方針の見直しが実を結んできた」と分析する。
 2位はリコー/リコーテクノシステムズ。全項目で平均を5ポイント以上も上回ったが僅差で2位に甘んじた。前回2位の大塚商会は6位に終わった。

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