素材やデータを入力するだけでホームページが制作できるサービスを提案するディバータ。同社の加藤健太社長は、ホームページ制作が、ここにきて再び大きな需要を集めると見る。無意識に入力された情報をメタデータとして管理することで、データに“意味”を持たせられるからだ。加藤社長に、ホームページの可能性などを聞いた。(聞き手は島田 昇=日経コンピュータ)

どのようなホームページ制作サービスを提供しているのか。

 Webサイトの更新を容易にするシステム「RCMS(Relational Contents Management System)」だ。一般的なCMS(Contents Management System)との違いは、CMSがページを管理する仕組みであるのに対し、RCMSはデータを管理する仕組みである点だ。

 RCMSでは、利用者が入力したデータはメタデータ化され、その上で各種データが相互に関連付けられる。あるコンテンツの情報更新はそのコンテンツの更新だけでなく、Webサイト全体の構成の変更にもつながる。既存のCMSでは、単独のコンテンツ更新が基本になっている。

 パソコンや携帯電話への対応はもちろん、テレビやデジタルサイネージなどへも対応できる柔軟性がある。管理画面も高機能なわりには、使いやすく分かりやすくなっているはずだ。翻訳機能によって、コンテンツを英語やフランス語などにも変換できる。

 RCMSをベースに、飲食業界に特化した「ぐるぺ」も提供している。ブログのように料理の写真とデータを入力するだけで、簡単に完成度が高い公式サイトを構築できる。料金も、サイト制作料は無料とし、ページビューに応じて課金する方式なので、全く無駄がない体系になっている。

RCMSはホームページ制作以外に発展性はあるか。

 RCMSの主なターゲットは、既存のホームページ市場では取り切れていないニーズだ。今やホームページは商売をしている個人や法人にとって欠かせない存在だ。だが、利用者は、ホームページ制作が実際にどれだけのコストがかかるもので、どれくらいの手間をかけて更新すればいいのかが分からないということがある。そのため、比較的高額で仕事を受けているサービス提供企業が多いようだ。

 しかし、高額だったり、思うようなサイトに仕上がらないといった理由などから、あまり見栄えがよくないサイトのままだったり、公式サイトをそもそも持っていないという中小の事業者が未だに存在する。例えば、飲食店であれば、ぐるなびのような大手の飲食店検索サービスに登録しているだけというケースだ。そうした中小事業者向けに、公式サイトが、もっと手軽に、安価で、見栄えもよく、人を集められる有効な手段であることを広めたい。