中問B

会員データの分析に関する次の記述を読んで,問93~96に答えよ。

 フィットネスジムに勤めるAさんは,会員管理システムのデータを基に,PCのデータベースソフトを利用して,利用状況の分析を行うことにした。図1に示す構造をもつ会員管理システムの会員表及び入館表から,20代~50代の会員についてのデータを1か月分取得した。

 利用状況の分析を始めるために,取得した会員表及び入館表から図2に示す構造をもつ会員利用分析表を作成した。

 作成した会員利用分析表のデータを基に,表に示す性別年代別利用者数一覧を作成した。人数は延べ人数であり,1か月間の利用回数を表している。

問題

〔ストラテジ〕
問96 女性会員について,年代別に各時間帯に入館した人数の推移が分かるようにグラフ化した。次の図の女性会員の年代別時間帯推移グラフの分析として,適切なものはどれか。

ア 10~14時と14~18時の時間帯で比較した30代の増加率よりも,14~18時と18~22時の時間帯で比較した40代の増加率の方が大きい。
イ 10~14時と比べ14~18時の時間帯では,50代の増加率が最も大きい。
ウ 14~18時と比べ18~22時の時間帯では,30代の増加率が最も大きい。
エ 時間帯が遅くなるとともに,すべての年代で入場者数が増加している。

ストラテジ系>企業と法務>企業活動>OR・IE

解説と解答

 問96の年代別時間帯推移グラフは,各時間帯に入館した女性会員の入場者数を年代別に積み上げた棒グラフです。このような棒グラフを積み上げ棒グラフと言い,各項目の総量と内訳要素の量を比較することができます。

 ここでは,グラフの中から該当する数値を読み取り,各選択肢の内容が正しいかどうかを一つずつ判断していきます。

 なお,増加率とは,あるデータが,そのデータより一つ前のデータと比べてどれぐらいの割合で増加したのかを表す比率です。一般に,増加率を求めるときには次の式を利用します。

増加率=(対象データ-一つ前のデータ)÷一つ前のデータ

 それぞれの選択肢を検討してみましょう。

 選択肢アについて。30代の10~14時の入場者数は25人,14~18時の入場者数は75人なので,増加率は(75-25)÷25=50÷25=2=200%です。一方,40代の14~18時の入場者数は53人,18~22時の入場者数は220人なので,増加率は(220-53)÷53=167÷53=3.150…≒315%です。指定された時間帯で比較したときの増加率は,30代の増加率よりも40代の増加率の方が大きいので,これは適切な記述です。

 選択肢イについて。50代の10~14時の入場者数は44人,14~18時の入場者数は45人であり,1人しか増加していません。また,グラフにプロットされた各年代の面積を目視で比較したとき,50代の増加率よりも,20代や30代の増加率の方が大きいことは一目瞭然であり,不適切な記述です。

 選択肢ウについて。選択肢イでの説明と同様に,グラフにプロットされた各年代の面積を目視で比較したとき,30代の増加率よりも,40代や50代の増加率の方が大きいことは一目瞭然であり,不適切な記述です。

 選択肢エについて。40代の10~14時の入場者数は75人,14~18時の入場者数は53人です。40代では,遅くなるとともに入場者数が減少している時間帯があるので,“すべての年代で入場者数が増加している”とは言えず,不適切な記述です。

 以上より正解は,選択肢アです。

小倉 美香(おぐら みか)
アプリケーションデザイナー 代表取締役
情報サービス会社の勤務を経て,1998年より現職。保持する資格は,プロジェクトマネージャ,テクニカルエンジニア(ネットワーク),同(情報セキュリティ),基本情報技術者など多数。著書に「短期完全マスター ITパスポート 2009年版」などがある。