問題

問70 プロダクトライフサイクルにおける成長期の特徴はどれか。

ア 市場が商品の価値を理解し始める。商品ラインもチャネルも拡大しなければならない。この時期は売上も伸びるが,投資も必要である。
イ 需要が大きくなり,製品の差別化や市場の細分化が明確になってくる。競争者間の競争も激化し,新品種の追加やコストダウンが重要となる。
ウ 需要が減ってきて,撤退する企業も出てくる。この時期の強者になれるかどうかを判断し,代替市場への進出なども考える。
エ 需要は部分的で,新規需要開拓が勝負である。特定ターゲットに対する信念に満ちた説得が必要である。

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解説と解答

 プロダクトライフサイクル(product life cycle)とは,商品が市場で販売開始(投入)されてから,姿を消すまでの製品に関する需要の寿命プロセスのことを言います。

 通常,プロダクトライフサイクルは,売上(利益)を縦軸,時系列推移を横軸にとった売上(利益)曲線で表わされることが多く,導入期,成長期,成熟(市場飽和)期,衰退期の4段階で表現されます。

 選択肢アの記述は,成長期の説明です。成長期では,売上が伸びる半面,その売上に応えるために製造ラインを増やすなどの投資が必要となります。また販売地域も拡大するため,販売チャネルの拡大も必要になります。

 選択肢イの記述にあるような,需要が大きくなって競争者間の競争が激しくなり,新品種の追加などが起きるのは成熟期です。

 選択肢ウの記述にあるような,需要が減って撤退する企業が出てくる時期は衰退期です。

 選択肢エの記述にある,需要が部分的で新規開拓をしたり特定ターゲットに対して説得を行ったりする時期は導入期です。

 以上より正解は,選択肢アです。

佐塚 彰夫(さづか あきお)
アイティ・アシスト 代表取締役
ITに関するコンサルティングや教育を実施するアイティ・アシストの代表。新人研修やプロジェクトマネージャ育成研修をはじめ,基本情報技術者試験,応用情報技術者試験,プロジェクトマネージャ試験などの試験対策研修の実績も豊富。著書に「短期完全マスター 基本情報技術者 2009年版」などがある。