問題

問67 契約タイプで一括請負契約に属するものはどれか。

ア 請け負った作業の履行に対するコストが償還され,更にプロジェクトのコスト見積りに対して一定比率の固定フィーを受け取る。
イ 請け負った作業の履行に対するコストが償還され,事前に取り決めたフィーと,契約で定めたパフォーマンス目標レベルの達成度に応じたインセンティブを受け取る。
ウ 契約で合意した内容を実現するために,実施された労務に対する対価が支払われる。
エ 契約で合意した内容を実現するために,指定された期日までに決められた価格で作成された成果物に対して対価が支払われる。

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解説と解答

 一括請負(定額請負)とは,システム開発に関するすべての業務(要件定義から納品まで)を契約時に見積もった期間と費用で行う方式です。

 それぞれの選択肢を見てみましょう。

 選択肢アは,契約タイプのうち,実費償還契約の中の「コスト・プラス固定フィー(CPFF)契約」の説明です。実費償還契約とは,開発にかかった実際のコストにベンダー側の利益相当分を加えた金額を,ユーザーが支払う契約のことです。よって選択肢アは誤りです。

 選択肢イは,実費償還契約の中の「コスト・プラス・インセンティブ・フィー(CPIF)契約」の説明です。よって選択肢イは誤りです。

 選択肢ウは,一般的な労働契約の説明です。労働契約とは,労働者が労働力(労務)を提供しそれに対して報酬を与える契約のことを言います。よって選択肢ウは誤りです。

 選択肢エが一括請負契約に関する正しい記述です。

 以上より正解は,選択肢エです。

佐塚 彰夫(さづか あきお)
アイティ・アシスト 代表取締役
ITに関するコンサルティングや教育を実施するアイティ・アシストの代表。新人研修やプロジェクトマネージャ育成研修をはじめ,基本情報技術者試験,応用情報技術者試験,プロジェクトマネージャ試験などの試験対策研修の実績も豊富。著書に「短期完全マスター 基本情報技術者 2009年版」などがある。