問題

問65 共通フレーム2007によれば,システム化計画を立案するときに考慮すべき事項はどれか。

ア 運用を考えて,できるだけ自社の社員で開発するよう検討を進める。
イ 失敗を避けるため,同業他社を調査し,同じシステムにする。
ウ 情報化の構想,運用マニュアル及び障害対策を具体的に示す。
エ 情報システムの有効性及び投資効果を明確にする。

ストラテジ系>システム戦略>システム企画>システム化計画

解説と解答

 共通フレーム2007はコンピュータシステム開発において,システム発注側と受注側の両方での分担範囲や業務の範囲,内容,契約上の責任といった内容に対して誤解が生じないようにするためのガイドラインです。具体的には,発注者,受注者間で用いる用語を共通化したり,作業内容を標準化したりする活動などが含まれます。

 それぞれの選択肢を確認しましょう。

 選択肢アについて。開発や運用などは,共通フレーム2007の「1.4.3 システム化計画の立案」中にある「1.4.3.11 実現可能性の検討」にて,要員,納期,コストなどの前提条件で技術的,経済的に実現可能性を考慮するとあります。しかし,「できるだけ自社の社員で開発する」という記述はありません。よって選択肢アは誤りです。

 選択肢イについて。システム取得にあたって複数の選択肢を検討すべきという記載はありますが,選択肢イのような指摘は存在しません。よって選択肢イは誤りです。

 選択肢ウについて。情報化の構想は「システム化構想の立案」で考案し,運用マニュアルは「システム方式設計」で暫定版を作成し,その後必要に応じて随時更新して行きます。よって選択肢ウは誤りです。

 選択肢エについて。共通フレーム2007の「1.4.3.14 費用とシステム投資効果の予測」にて,「費用と効果を対比させシステムへの投資効果と時期を明確にする」とされています。

 以上より正解は,選択肢エです。

佐塚 彰夫(さづか あきお)
アイティ・アシスト 代表取締役
ITに関するコンサルティングや教育を実施するアイティ・アシストの代表。新人研修やプロジェクトマネージャ育成研修をはじめ,基本情報技術者試験,応用情報技術者試験,プロジェクトマネージャ試験などの試験対策研修の実績も豊富。著書に「短期完全マスター 基本情報技術者 2009年版」などがある。