問題

問61 エンタープライズアーキテクチャ(EA)を説明したものはどれか。

ア オブジェクト指向設計を支援する様々な手法を統一して標準化したもので,クラス図などのモデル図によってシステムの分析や設計を行うための技法である。
イ 概念データモデルを,エンティティ,リレーションシップで表現することで,データ構造やデータ項目間の関係を明らかにするための技法である。
ウ 各業務と情報システムを,政策・業務体系,データ体系,適用処理体系,技術体系の四つの体系で分析し,全体最適化の観点から見直すための技法である。
エ 企業のビジネスプロセスを,データフロー,プロセス,ファイル,データ源泉/データ吸収の四つの基本要素で抽象化して表現するための技法である。

ストラテジ系>システム戦略>システム戦略>情報システム戦略

解説と解答

 エンタープライズアーキテクチャ(EA:Enterprise Architecture)とは,巨大な組織の複雑な構造を体系的に理解するための活動や,その活動を行うための方法論のことを言います。EAでは,組織内の業務体系やデータなどの各要素を,階層構造に整理(モデル化)することで組織全体の構成要素の関係を明確にします。よって,正解は選択肢ウです。

 そのほかの選択肢についても確認しておきましょう。

 選択肢アの記述は,UML(Unified Modeling Language)の説明です。UMLとは,オブジェクト指向開発において,クラス図やユースケース図,シーケンス図などを利用して,分析や設計をする技法です。

 選択肢イの記述は,E-R(Entity Relationship)分析の説明です。E-R分析は,業務に必要なすべてのデータを洗い出し,それをエンティティ(データの実体)とリレーションシップ(データ間の関連)で表現する技法です。

 選択肢エの記述は,DFD(Data Flow Diagram)の説明です。DFDとは,データの流れに着目して業務プロセスを分析する技法です。データフロー,プロセス,ファイル,データ源泉/データ吸収という4つの基本要素でビジネスプロセスを表現します。

佐塚 彰夫(さづか あきお)
アイティ・アシスト 代表取締役
ITに関するコンサルティングや教育を実施するアイティ・アシストの代表。新人研修やプロジェクトマネージャ育成研修をはじめ,基本情報技術者試験,応用情報技術者試験,プロジェクトマネージャ試験などの試験対策研修の実績も豊富。著書に「短期完全マスター 基本情報技術者 2009年版」などがある。