問題

問62 情報システムの全体計画立案時に策定される業務モデルはどれか。

ア 基幹系の機能とそれに必要なデータ項目を定義する。
イ 既存の情報システムとデータベースの関係を定義する。
ウ 組織の機能と帳票とを関連付ける。
エ ビジネスプロセスとデータクラスを関連付ける。

ストラテジ系>システム戦略>システム戦略>情報システム戦略

解説と解答

 業務モデルとは,企業内の業務とその業務で扱っている情報のやり取りをモデル化したものです。業務モデルを作成するのは,企業の中長期計画を立てるときに,企業のあるべき姿に基づいた情報システムの姿を描き出し,それに基づいて具体的に何をいつまでに実現するのかを計画するためです。

 それぞれの選択肢を確認しましょう。

 基幹系とは,企業の情報システムのうち,業務内容と直接にかかわる販売,在庫管理,財務などを扱うシステムのことです。本問題は,業務モデルについての出題であり,基幹系の機能とデータ項目を具体的な定義についての質問ではありません。よって選択肢アは誤りです。

 業務モデルは企業の将来のあるべき姿を描き出すためのものです。既存の情報システムとデータベースを定義するためのものではありません。よって選択肢イも誤りです。

 業務モデルは業務そのものと,業務で取り扱っている情報を関連付けるものであり,組織の機能と帳票を関連付けるものではありません。そのため選択肢ウも誤りです。

 選択肢エは正しい記述です。情報システムの全体計画立案時は,ビジネスプロセスとデータクラスを定義してそれぞれの関連付けを行い,組織の活動と情報の関連をモデル化します。

 以上より正解は,選択肢エです。

佐塚 彰夫(さづか あきお)
アイティ・アシスト 代表取締役
ITに関するコンサルティングや教育を実施するアイティ・アシストの代表。新人研修やプロジェクトマネージャ育成研修をはじめ,基本情報技術者試験,応用情報技術者試験,プロジェクトマネージャ試験などの試験対策研修の実績も豊富。著書に「短期完全マスター 基本情報技術者 2009年版」などがある。