問題

問81 マクロウイルスに関する記述として,適切なものはどれか。

ア PCの画面上に広告を表示させる。
イ ネットワークで接続されたコンピュータ間を,自己複製しながら移動する。
ウ ネットワークを介して,他人のPCを自由に操ったり,パスワードなど重要な情報を盗んだりする。
エ ワープロソフトや表計算ソフトのデータファイルに感染する。

テクノロジ系>技術要素>セキュリティ>情報セキュリティ対策・情報セキュリティ実装技術

解説と解答

 マクロウイルスは,ワープロソフトや表計算ソフトなどで作成したデータファイルに潜伏するウイルスです。マクロと呼ばれる簡易言語で記述されており,特にMicrosoft社のWord(ワープロソフト)やExcel(表計算ソフト)に備わっているマクロ機能を利用したものの被害が多く報告されています。

 それぞれの選択肢の記述を見てみましょう。

 選択肢アの「PCの画面上に広告を表示させる」プログラムをアドウエア(ADware)と言います。アドウエアは,広告(Advertisement)を意味するADと,ソフトウエア(Software)を意味するwareを足し合わせた造語です。よって選択肢アは間違いです。

 選択肢イの「ネットワークで接続されたコンピュータ間を,自己複製しながら移動する」という動作をする不正プログラムをワーム(Worm)と言います。ワームは,毛虫やミミズなどの類を意味する単語ですが,感染・増殖する様子が似ていることから,この名前が付けられています。よって選択肢イも誤りです。

 選択肢ウの「ネットワークを介して,他人のPCを自由に操ったり,重要な情報を盗んだりする」不正プログラム(ウイルス)をボット(bot)と言います。攻撃者はbotに感染した多数のPCをロボットのように操れることから,この名前が付けられています。よって選択肢ウも誤りです。

 以上より正解は,選択肢エです。

小倉 美香(おぐら みか)
アプリケーションデザイナー 代表取締役
情報サービス会社の勤務を経て,1998年より現職。保持する資格は,プロジェクトマネージャ,テクニカルエンジニア(ネットワーク),同(情報セキュリティ),基本情報技術者など多数。著書に「短期完全マスター ITパスポート 2009年版」などがある。