問題
問77 暗号化に関する記述のうち,適切なものはどれか。
ア 暗号文を平文に戻すことをリセットという。
イ 共通鍵暗号方式では,暗号文と共通鍵を同時に送信する。
ウ 公開鍵暗号方式では,暗号化のための鍵と平文に戻すための鍵が異なる。
エ 電子署名には,共通鍵暗号方式が使われる。
解説と解答
暗号化とは,情報を一定のルールで組み替え,第三者には判別できない内容に変換することです。暗号化の方式は,暗号化に用いる鍵(暗号化鍵)と復号に用いる鍵(復号鍵)が同じである共通鍵暗号方式と,暗号化鍵と復号鍵が異なる公開鍵暗号方式に大別されます。それぞれの選択肢を見てみましょう。
選択肢アについて。平文(ひらぶん)とは暗号化されていない元の情報のことであり,クリアテキストとも呼ばれます。暗号文を平文に戻すことを復号と言います。よって選択肢アは誤りです。
選択肢イについて。共通鍵暗号方式で使用する鍵のことを共通鍵といい,暗号文の解読にはこの共通鍵を使用します。暗号文と共通鍵を同時に送信した場合,暗号文と共通鍵の両方が盗まれ,暗号文が解読されてしまうリスクが高くなります。そのため,共通鍵は通信当事者間で秘密に保持し,暗号文だけを送信します。よって選択肢イも誤りです。
選択肢ウは適切な記述です。公開鍵暗号方式では,暗号化のための鍵(暗号化鍵)と平文に戻すための鍵(復号鍵)が異なります。
選択肢エについて。電子署名には,共通鍵暗号方式ではなく,2個の異なる鍵を使用する公開鍵暗号方式が使われます。公開鍵暗号方式では,2個の鍵のうちの一方を関係者に配布する公開鍵,もう一方を秘密に保持する秘密鍵とします。署名の作成時には送信者の秘密鍵を利用し,署名の検証時には送信者の公開鍵を利用します。よって選択肢エは誤りです。
以上より正解は,選択肢ウです。
アプリケーションデザイナー 代表取締役