ファシリテーション・テクニックを極める当研究所。現場で培ってきた数々のテクニックやノウハウの中から、即効性があるツールを紹介しています。第7回と第8回は、会議の品質向上に有効なツール「チェックポイント」を紹介します。今回は実践編として、実際の事例をもとにチェックポイントの運営および活用方法について説明します。
まず、事例として取り上げるセッションの概要を説明しましょう。
会議名
ウォークスルー(システム開発の各フェーズで、設計書などをもとに、プロジェクト関係者が討議し、欠陥や問題点を早期に洗い出すためのレビュー手法。 設計者が自分自身でチェックするよりも、複数人で取り組むことで、多面的な角度からチェックできる)
ユースケースを台本に見立て、業務プロセス間の整合性、およびシステム機能の過不足がないことを、一連の流れを通して関係者全員で確認する。
セッション・ゴール
ユースケースに沿って各種設計書をレビューし、プロセス間の不整合や機能のヌケモレがないかを探し出す。
アジェンダ
・Icebreaker
・ウォークスルーの進め方
・スケジュールについて
・ウォークスルー
・チェックポイント
参加者
ユーザー:田中(ファシリテーター)、佐野、杉本、山本、大西
開発者:古川、浜田
それでは、このセッションで行われたチェックポイントについて、詳細内容を見ていきましょう。
田中(ファシリテーター):本日予定していたウォークスルーは以上となります。最後にチェックポイントを行います。お一人1~2分程度で、コメントをお願いします。
佐野:具体的な利用イメージを掴むことができ、システムの理解を深めることができてよかったと思います。タイトスケジュールの中で、残りのウォークスルーを効率よく行えるよう協力していきたいと思います。
杉本:個別の業務プロセスの議論にフォーカスしすぎている場面があったと感じました。ウォークスルーの本来の目的から逸脱していたのではと疑問を持ちました。
山本:杉本さんからも挙げられていますが、一部議論が脱線している場面があったと思います。検討が不十分な業務プロセスについては、別途時間を設けて、検討できればと感じました。
田中:確かに、そのような場面がありましたね。次回のウォークスルーでは改善したいと思います。また、検討が必要な業務プロセスについては、別途セッションを設けましょう。