問題

問45 システム開発におけるウォータフォールモデルの説明はどれか。

ア 一度の開発ですべてを作るのではなく,基本的なシステムアーキテクチャの上に機能の優先度に応じて段階的に開発する。
イ 開発工程を設計,実装,テストなどに分け,前の工程が完了してから,その成果物を使って次の工程を行う。
ウ 試作品を作り,利用者の要求をフィードバックして開発を進める。
エ 複雑なソフトウェアを全部最初から作成しようとするのではなく,簡単な部分から分析,設計,実装,テストを繰り返し行い,徐々に拡大していく。

テクノロジ系>開発技術>ソフトウェア開発管理技術>開発プロセス・手法

解説と解答

 ウォータフォールモデルは,開発工程を,要件定義,設計,プログラミング,テストなどに分け,この順に作業を行う開発手法です。前の工程が完了してから,その成果物を使って次の工程の作業を行います。そのため,基本的に前の工程へ戻ることが許されず,工程が進んでから仕様変更が発生すると柔軟な対応は難しくなります。

 選択肢アの記述にある「基本的なシステムアーキテクチャの上に機能の優先度に応じて段階的に開発する」 のは,インクリメンタルモデルです。

 選択肢ウの記述にある「試作品を作り,利用者の要求をフィードバックして開発を進める」 のは,プロトタイピングモデルです。

 選択肢エの記述にある「簡単な部分から分析,設計,実行,テストを繰り返し行い,徐々に拡大していく」のは,エボリューショナルモデルです。エボリューショナルモデルとは,顧客の要求が変化することを前提とした反復型の開発モデルです。具体的には,スパイラルモデルやプロトタイピングモデルがあります。

 以上より正解は,選択肢イです。

佐塚 彰夫(さづか あきお)
アイティ・アシスト 代表取締役
ITに関するコンサルティングや教育を実施するアイティ・アシストの代表。新人研修やプロジェクトマネージャ育成研修をはじめ,基本情報技術者試験,応用情報技術者試験,プロジェクトマネージャ試験などの試験対策研修の実績も豊富。著書に「短期完全マスター 基本情報技術者 2009年版」などがある。