株式会社まぼろし
株式会社まぼろし 2008年8月設立。アクセシビリティ,ユーザービリティ,CMSの導入,SEO/SEMといったWebサイト制作から,ROIを意識したブランディング,ソーシャルメディアを用いたユーザーとのコミュニケーションの最適化など,マーケティング活動までを手がけるクリエイティブユニット。

 2009年3月18日にInternet Exploler(以下IE)8が米国で正式公開されました。日本語版も同月20日からダウンロード可能になり,多くの制作者が実際に触れてみたことでしょう。しかし,それから4カ月が経とうとしている現在でもIE 8へのアップグレードはスムーズに行われていないようです。

 筆者がアクセス解析を見た範囲では,IEのシェアが全体の85~95%前後,さらにIEの中では6と7が約45%前後,8のシェアが10%弱ということろです(7月6日時点)(表1)。

表1●3サイトにおけるIEとバージョンごとのシェア(Google Analytics調べ)
対象サイト全体におけるIEのシェアIE6,7,8のシェア
サイトA 84.90%
  • 46.28%
  • 44.42%
  • 8.78%
サイトB 82.68%
  • 45.13%
  • 45.55%
  • 7.21%
サイトC 93.49%
  • 46.18%
  • 46.03%
  • 7.04%

 こうした状況の中であっても,我々のようなマークアップを仕事とする人は,CSSサポートが不十分なIE 6でもサイトの表示品質を保証することが求められます。ということで今回は,IE 6の「クセ」「バグ」「未サポート」の3つに分けて,Webページコーディングにおける代表的なIE 6への対応方法について書いていきます(CSS2.1をベースにしています)。

IE 6のクセ

・文字サイズをpx単位で指定するとブラウザの文字サイズ変更機能が利用できなくなってしまう

 IE 6対応として最もメジャーな問題の一つです。PCディスプレイの解像度は環境設定さえ変えなければ常に一定ですから,文字サイズをpx単位で指定したときに文字サイズ変更機能が利用できなくなることはうなずけます。しかし,ブラウザで文字のサイズが変えられないのは利用者の立場にたってみれば迷惑この上ないことです。

 この問題は,「キーワード(small,medium,largeなど),em,%」などで文字サイズを指定することで回避可能です。