問題

問57 データベースシステムと業務アプリケーションが稼働しているサーバのOSのバージョンアップの案内が届いた。バージョンアップを行うか否かの判断のうち,適切なものはどれか。

ア 業務アプリケーションは長期間使用しているが,データベースシステムは比較的新しいので,OSとデータベースシステムの相性をチェックしバージョンアップをする。
イ 今回のバージョンアップに伴い現在使用しているOSはサポート終了となるので,すぐにバージョンアップをする。
ウ データベースシステムは,OSのメーカが提供するデータベース管理機能を使っているのでトラブルはないと判断し,業務アプリケーションとOSの関係を調査し,問題がなければバージョンアップをする。
エ バージョンアップされたOSでのデータベースシステムの稼働を確認した後に,業務アプリケーションの稼働を確認し,問題がなければバージョンアップをする。

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解説と解答

 データベースシステムも業務アプリケーションもサーバーのOSの機能を利用しているため,OSをバージョンアップすることにより動作に問題が発生する可能性があります。そこで,テスト用のコンピュータにバージョンアップされたOS,データベースシステム,業務アプリケーションをインストールし,稼働を確認します。そして,問題がなければOSをバージョンアップします。この手順を踏むことで,バージョンアップによるシステム障害を予防できます。これより,選択肢エの記述が正解だとわかります。

 そのほかの選択肢についても見ておきましょう。

 利用期間に関わらず,データベース,業務アプリケーションともに新しいOSとの相性をチェックする必要があります。よって選択肢アの記述は適切とは言えません。

 また,選択肢イの記述にあるように「現在使用しているOSはサポート終了になる」場合であっても,動作確認は必要です。よって選択肢イの記述も適切ではありません。なお,バージョンアップの内容によっては,バージョンアップせずに現在使っているバージョンのOSをそのまま使うという判断もありえます。

 選択肢ウの記述にあるように「OSのメーカが提供するデータベース管理機能を使っている」 としても,OSのバージョンアップの案内しか届いていないので,データベースシステムとOSの関係を調査する必要があります。よって選択肢ウの記述も適切とは言えません。

佐塚 彰夫(さづか あきお)
アイティ・アシスト 代表取締役
ITに関するコンサルティングや教育を実施するアイティ・アシストの代表。新人研修やプロジェクトマネージャ育成研修をはじめ,基本情報技術者試験,応用情報技術者試験,プロジェクトマネージャ試験などの試験対策研修の実績も豊富。著書に「短期完全マスター 基本情報技術者 2009年版」などがある。