問題

問55 一斉移行方式の特徴のうち,適切なものはどれか。

ア 新旧システム間を接続するアプリケーションが必要となる。
イ 新旧システムを並行させて運用し,ある時点で新システムに移行する。
ウ 新システムへの移行時のトラブルの影響が大きい。
エ 並行して稼働させるための運用コストが発生する。

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解説と解答

 一斉(一括)移行方式は,旧システムから新システムへ移行する際,旧システムを停止させ新システムへ一斉に移行する方式のことです。移行にかかる時間や負荷が少なくて済む半面,データの移行に失敗するなどトラブルが発生した場合,関連するシステムを含めトラブルの影響範囲は大きいという特徴があります。

 システム移行におけるトラブル発生時の影響範囲を小さくする方式としては,特定の部署や機能など部分的に移行して問題がなければ移行範囲を広げていく段階移行方式と,新旧システムを並行稼働しながら移行する並行運用方式があります。

 以上を踏まえ,それぞれの選択肢を検討してみましょう。

 選択肢アは,段階移行方式の特徴です。部分的に新システムを稼働させるため,新システムと旧システムを接続するアプリケーションが必要となります。

 選択肢イと選択肢エは,並行運用方式の特徴です。並行運用方式は,旧システムと新システムを並行して稼働しながらシステムを移行します。一時的に2つのシステムが稼働するために負荷が高まりますが,万一トラブルが発生した場合でも旧システムで継続して運用可能です。

 選択肢ウは,一斉移行方式の特徴です。

 以上より正解は,選択肢ウです。

佐塚 彰夫(さづか あきお)
アイティ・アシスト 代表取締役
ITに関するコンサルティングや教育を実施するアイティ・アシストの代表。新人研修やプロジェクトマネージャ育成研修をはじめ,基本情報技術者試験,応用情報技術者試験,プロジェクトマネージャ試験などの試験対策研修の実績も豊富。著書に「短期完全マスター 基本情報技術者 2009年版」などがある。