問題

問50 ある製品の開発に使用された組込みシステムの開発環境における維持管理に関する記述として,最も適切なものはどれか。

ア あまり使用されない開発環境においても,最新の開発環境に更新して維持管理すべきである。
イ 一度製品化した後は,再度その開発環境を必要とすることはないので,開発環境を保持する必要はない。
ウ 開発環境は,使用頻度に関係なく,定期的に動作確認などを行って維持管理すべきである。
エ レンタル会社から借りた開発環境は,レンタル会社の責任でいつまでも保持される。

テクノロジ系>技術開発>ソフトウェア開発管理技術>開発環境管理

解説と解答

 組込みシステムのプログラムは,ROMに書き込んだ状態で部品として製品に組み込まれて動作します。そのため,プログラムを開発するハードウェアと,実行するハードウェアは異なります。製品で不具合が発生した場合,検証や修正はプログラムを開発した環境で行うことになります。したがって,開発環境は,開発終了後もその製品が利用されている間は,定期的に動作確認などを行って維持管理しておく必要があります。

 選択肢アのように「最新の開発環境に更新して維持管理する」 と,実際に開発に使用した環境とは異なってしまいます。よって選択肢アの方法は適切とは言えません。

 一度製品化した後,再度その開発環境を使わないとは限りません。よって選択肢イの「再度その開発環境を必要とすることはない」 という記述も適切ではありません。

 レンタル会社から借りた開発環境の保持期間は,契約内容によって異なります。そのため,選択肢エの「レンタル会社から借りた開発環境は,レンタル会社の責任でいつまでも保持される」という記述は適切ではありません。

 以上より正解は,選択肢ウです。

佐塚 彰夫(さづか あきお)
アイティ・アシスト 代表取締役
ITに関するコンサルティングや教育を実施するアイティ・アシストの代表。新人研修やプロジェクトマネージャ育成研修をはじめ,基本情報技術者試験,応用情報技術者試験,プロジェクトマネージャ試験などの試験対策研修の実績も豊富。著書に「短期完全マスター 基本情報技術者 2009年版」などがある。