問題

問61 あるシステムは5,000時間の運用において,故障回数は20回,合計故障時間は2,000時間であった。おおよそのMTBF,MTTR,稼働率の組合せのうち,適切なものはどれか。

テクノロジ系>コンピュータシステム>システム構成要素>システムの評価指標

解説と解答

 MTBF,MTTR,稼働率は,システムの信頼性を表す代表的な指標であり,互いに密接な関係があります。ここでは,この順番で説明していきます。

●MTBF(平均故障間隔)
 MTBF(Mean Time Between Failure,平均故障間隔)は,故障を修復してシステムを再開してから,次の故障が発生してシステムが停止するまでの平均時間です。MTBFは次の式で求めることができます。

MTBF=合計稼働時間÷故障回数

 問題では,システム運用時間の5000時間のうち合計故障時間が2000時間なので,それ以外の時間が合計稼働時間です。したがって,合計稼働時間は5000時間-2000時間=3000時間であり,MTBFは次の値になります。

MTBF=3000時間÷20=150時間

●MTTR(平均修理時間)
 MTTR(Mean Time To Repair,平均修理時間)は,システムが故障して停止してから,故障を修復してシステムを再開するまでの平均時間です。MTTRは,次の式で求めることができます。

MTTR=合計修理時間÷故障回数

 合計修理時間は合計故障時間と同じと考えてよいので,問題におけるMTTRは次の値になります。

MTTR=2000時間÷20=100時間

●稼働率
 稼働率は,ある期間中にシステムが正常に稼働している時間の割合です。稼働率は,MTBFとMTTRを用いた次の式で求めることができます。

稼働率=MTBF÷(MTBF+MTTR)

 問題では,MTBFが150時間で,MTTRが100時間なので,稼働率は次の値になります。

稼働率=150時間÷(150時間+100時間)=0.6=60%

 なお,稼働率を求める式の分子と分母に故障回数を掛けると,次の式が得られます。

稼働率=(MTBF×故障回数)÷{(MTBF+MTTR)×故障回数}
   =(MTBF×故障回数)÷(MTBF×故障回数+MTTR×故障回数)
   =合計稼働時間÷(合計稼働時間+合計故障時間)
   =合計稼働時間÷システム運用時間

 この式を利用して稼働率を求めてもよく,この問題の例では,3000時間÷5000時間=0.6=60%になります。

 以上より正解は,選択肢エです。