トラブル・シューティングで使われる定番コマンドに関する問題である。どのコマンドが,OSI基本参照モデルのどのレイヤーに対応しているかを答える。トラブル・シューティングでは,原因を迅速に切り分けるテクニックが必要になる。その際,コマンドとレイヤーの関係の知識が欠かせない。トラブルが発生しているのがどのレイヤーなのかがわかると,原因を追及しやすくなるからだ。

トラブル切り分けに必須のコマンド

 レイヤーとコマンドの対応をまとめたのが図1である。

図1●代表的なコマンドとレイヤーの関係
図1●代表的なコマンドとレイヤーの関係
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 ルーターのレイヤー1とレイヤー2の動作を確認するコマンドは,show interfacesコマンドである。ケーブルがきちんとつながっているかといったレイヤー1の確認や,レイヤー2のカプセル化プロトコルなどを確認できる。

 また,show cdpコマンドでもレイヤー2レベルまでの動作確認ができる。CDPについては,問題3で詳しく解説する。

 レイヤー3レベルまでを確認できるのが,pingコマンドとtracerouteコマンドである。これらは,IPレベルの通信ができるかどうかを確かめられる。

 telnetコマンドは,レイヤー4~7レベルまでの通信を確認できる。シスコ製ルーターはTelnetクライアント機能を持っており,他の機器にTelnetでログインできる。例えば,pingコマンドで応答が返ってくるがTelnetで通信できないという場合は,通信途中でレイヤー4レベル(ポート番号)の通信がフィルタされていないかや,レイヤー7レベル(Telnetアプリケーション)が正常に稼働しているかを確かめる必要がある。

 以上より正解は,選択肢a,c,eであることがわかる。

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IOS編 第6回 「テストコマンドを活用」