問題
問38 ソフトウェア開発プロセスを“要件定義”,“システム設計”,“プログラミング”,“テスト”の各工程に区切って,この順に進める手法の長所はどれか。
ア 開発工程のどの時点でも,ソフトウェアの仕様変更に柔軟に対応できる。
イ 開発の進捗状況の把握が容易である。
ウ 上流工程におけるレビューの工数が少なくて済む。
エ 利用者が,開発の早い時期にソフトウェアを試用できる。
解説と解答
ソフトウェア開発プロセスを,要件定義,システム設計,プログラミング,テストなどの各工程に区切り,上流工程から下流工程に向かって,要件定義→システム設計→プログラミング→テスト
という順に開発を進める手法をウォータフォールモデルと言います。ウォータフォールモデルは最も代表的なソフトウェア開発モデルであり,汎用性が高く,多くのソフトウェア開発に採用されています。
ウォータフォールモデルには,次のような特徴があります。
●開発工程の進行順序が明確なので進捗管理や工程管理が行いやすく,大規模なソフトウェア開発に対応できる。
●前工程から引き渡された成果物を基に次工程の開発作業を行い,原則として開発工程の後戻りは許さない。
●上流工程で紛れ込んだ誤りが,後工程まで検出できずに残ってしまう危険性がある。
ソフトウェアの仕様変更に対応するためには,前の工程に戻って開発をし直す必要があります。ウォータフォールモデルでは原則として工程の後戻りを許さないので,ソフトウェアの仕様変更に柔軟に対応することはできません。よって選択肢アは誤りです。
ウォータフォールモデルでは,上流工程における誤りをできるだけ取り除き,品質を高めておくことが重要になります。そのため,上流工程におけるレビューの工数は多くなります。よって選択肢ウも誤りです。
利用者が開発の早い時期にソフトウェアを試用できるのは,プロトタイピングモデルの特徴です。このため選択肢エも誤りです。
なお,代表的なソフトウェア開発モデルには,ウォータフォールモデル以外にもプロトタイピングモデルやスパイラルモデルなどがありますので,こちらもチェックしておきましょう。
以上より正解は,選択肢イです。
アプリケーションデザイナー 代表取締役