6to4は,IPv4ネットワーク経由でIPv6インターネットに接続するためのトンネル技術です。Windows XP/Vistaなどに備わっており,端末にIPv4のグローバル・アドレスが設定された場合に,自動的に有効になります。

 端末は,IANA(Internet Assigned Numbers Authority)が6to4向けに割り当てている「2002::/16」というIPv6プレフィックス(16ビット)と,自身のIPv4グローバル・アドレス(32ビット)などを組み合わせてIPv6アドレスを生成します。そして,IPv6パケットをIPv4パケットでカプセル化して,IPv4インターネット上をトンネリングして6to4リレー・ルーターに転送します。

 6to4リレー・ルーターは,IPv4インターネットとIPv6インターネットの境界に位置しています。6to4リレー・ルーターは受け取ったIPv4パケットの中にあるIPv6パケットを取り出し,IPv6インターネット側にIPv6パケットを送り出すのです。日本では,ネットワーク技術者を中心とした組織「Tokyo6to4プロジェクト」によって,国内のIXで6to4リレー・ルーターが2008年末から試験的に運用されています。

 6to4機能を持ったブロードバンド・ルーターもあります。この場合,ブロードバンド・ルーターのWAN側インタフェースに割り当てられたIPv4グローバル・アドレスを使って,6to4トンネルを構築します。それと同時に,配下の端末にIPv6アドレスを配布して,IPv6通信を可能にします。