絶賛発売中の日経Linux最新8月号では,「特集1:ついに実現 Linuxで作る地デジ録画サーバー」と題してLinuxで地上デジタル放送を視聴・録画するための手順を徹底紹介している。

 記事では,Linuxで動作させられる(もちろんハックが必要)代表的なデジタル・チューナを使い,Fedora 10や最新のUbuntu9.04で家電顔負けの安定性と便利さを備えた録画サーバーを構築する手順などを解説。USB型チューナさえ用意すればすぐに録画環境を構築できる「簡単導入キット」やオリジナルの録画サーバー・ソフトなども付録DVDに収録しているので,興味のある人はぜひお近くの書店で手にとってみていただきたい。

 こうしたLinuxにおける地デジ録画の世界の大きな扉を開くきっかけとなった製品の1つに,アースソフトのデジタル放送波受信ボード「PT1」がある(現在は生産終了)。このPT1のLinux用ドライバ(オープンソース)を作ったのが「石川 智明」氏だ。同氏が開発したドライバは,その後も有志によって改良され続け,関連ソフトウエアも含めてLinuxにおける地デジ視聴・録画分野で欠かせない存在になっている。

 惜しまれつつも生産終了となったPT1だが,復活を求める多数の声に押される形で,2009年9月(予定)に「PT2」として復活することが決定している(詳細は8月8日発売の日経Linux9月号で紹介)。そこで,今回は特集公開とPT2発売を記念して,石川氏自らにドライバ開発の経緯などをつづってもらったレポートをここに掲載する。仮想化ソフトをバス・アナライザ代わりに使う話など,この手のハードウエアに興味を持っている人ならとても面白く読めること請け合いである(注:記事内容は,原稿執筆時である2009年春時点の情報に基づいています。一部内容は日経Linux4月号に掲載したものです)。