アンケートの回答受け付けは終了しました

 「グーグルとは一体何者なのか?」。最近、こんなことをよく考える。グーグルが提供するサービスや技術について取材し、記事を書く機会が増えたからだ。グーグルがいまや、ITを生業にする企業やIT利用者に大きな影響を及ぼす存在になっていることは間違いない。だが、一方でグーグルという企業そのものに、ある種の「わかりにくさ」を感じている。

 グーグルの本業はインターネットの検索サービスとそれを利用した広告事業だが、同社は情報システムを作る道具の供給者、つまりITベンダーでもある。電子メールの「Gmail」や文書作成・共有の「Docs」、これらを含むグループウエア「Google Apps」を検討したり、興味を持っている企業は少なくない。さらにWebアプリケーションの開発・実行環境「App Engine」やWebサービス連携用の各種APIもグーグルは提供しており、Webがらみの情報システムを開発しようとした際、こうした技術を無視できなくなっている。

 Webにアクセスするクライアント側についてもグーグルの進出は目覚しい。オフライン化技術の「Gears」や携帯電話向けプラットフォームの「Android」、Webブラウザの「Chrome」、x86系コードをWebブラウザ上で実行する技術「Native Client」など。この7月には、ついにパソコン用OSと呼べる「Chrome OS」を発表するに至った。もはや「検索とネットサービスの企業」とは言えなくなっている。

 ここまではよいとして、筆者がグーグルについて、わかりにくいと思っているのは、同社の姿勢についてである。「世界中の情報を整理する」ことを目指し、「悪になるな(Don't be Evil)」を社是とする。この経営方針は有名だが、この方針にそって動く同社のIT関連の振る舞いは、IT業界の既存秩序からすると異端そのものだ。サービスは無料か格安で、それ自体で儲けるつもりはない。サービスや製品を有料で売る世界で戦ってきた既存のIT企業にとってグーグルは不気味に映る。筆者を含むメディアは「グーグルとマイクロソフトの対決」といった切り口で記事を書いているが、当のグーグルは表立ってそうしたことを言わない。

 また、グーグルはサービスの中身をコンシューマ向けと企業向けで区別していないように見える。企業向けのサービスや製品であっても、サポートはWebでの情報提供が主体だ。「これまでのIT企業と同じようにパートナーとしてつきあっていけるのか」。これは日本のIT企業や利用企業が抱く素直な疑問である。サポートの手間がかかる企業向けのITビジネスに本気で参入するつもりがあるのかどうか、このあたりもいまひとつ見えない。

 筆者が所属する日経コンピュータ誌は、9月に発行する号で、グーグルの大きな特集を計画している。編集長から「お前が特集のリーダーをやれ」と言われたところまではよかったが、さてどうグーグルに切り込めばよいかと考えていると、「グーグルとは一体何者なのか?」という冒頭の疑問に戻ってきてしまう。

 わからないときは、聞くのが一番である。そこでITpro読者の皆様にお願いがあります。実際のところ、グーグルの技術や企業の存在を、ITpro読者はどうみておられますか。以下に質問を用意しましたので、ぜひご意見をお寄せください。皆様の回答結果は追ってITproに公開するとともに、日経コンピュータのグーグル特集に反映させていただきます。よろしくお願いします。

Q1.グーグルについて、どのようなテーマに関心をお持ちですか。以下からお選びください(最大三つまで)

マイクロソフトとの対決の行方
社員やエンジニアの働き方、人事処遇
企業情報システム向けの技術や製品
日本のIT業界への影響
クラウドの基盤技術開発
消費者向けネットサービス
企業としての業績、広告事業の先行き
異業種への参入(医療、電力など)
社会貢献活動
検索・広告市場での独占懸念
プライバシーや知的財産への影響
オープンソースの技術開発支援体制
その他 
特に関心はない

Q2.グーグルの幹部に質問できるとしたら、あなたは何を聞きたいですか。自由にお書きください