写真1●テック・インデックスのデータセンター内部
写真1●テック・インデックスのデータセンター内部
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 テック・インデックスには,めざす企業像がはっきりある。「ナンバーワン・モバイル・プラットフォーム・プロバイダ」がそれで,付加価値を持ったデータセンターのサービスを提供するために,SaaS/ASPアプリケーション,法人向けモバイル化支援,ビジネス・コンサル・共有サービス,機器販売,ソフト販売など多岐にわたるビジネス・メニューを提供している。

追加料金なしでラックの収容ニーズに対応

 データセンターの拠点は新宿御苑の近くにある。同社の施設ではないが,同じ施設を利用しているに事業者のうち,その中にオフィスを構え,スタッフが24時間常駐してサービスを提供しているのはテック・インデックスだけだ。

 サーバー・ルームにはドアを設け,コールドアイルに冷気をトラップ。効率的な冷却を実現する新型ラック「CCCM」(写真1)を設置している。いずれもデータセンター施設のもので同社固有の設備ではないが,同社独自のメニューとして,ラック当たりの電力を実効4KVA,5KVA,6KVAから選択可能にしている。ラックの収容効率を最大化したいという顧客のニーズに対応したものだという。「もし,それでも過不足ある場合,あるいは100V,200V系の電源選択などが必要な場合も,追加料金なしで対応する」と,同社の金子亮氏(ネットワーク本部 本部長 技術部 部長)は説明する。

仮想サーバーを使ったホスティングを開始

 同社は新しいもの好きだという。2009年2月,「V-Suite」と呼ぶ仮想サーバーを使ったホスティング・サービスをスタートさせている。これは,仮想サーバーと冗長構成を組み合わせた仮想化ネットワーク(最大1Gビット/秒,共有)に,24時間365日の運用監視を組み合わせたサービス。SaaS/ASPプラットフォームやさまざまなサーバーの用途を対象にしている。

 仮想専用サーバーとして1GBメモリー,80ギガバイトのスペックを割り当て,月額4万5000円(初期費用,オプション費用は別)。ホストOSはCentOSあるいはRed Hat Enterprise Linuxを選ぶことが可能で,Windowsも用意する予定という。低コストな専用サーバーを希望する場合には,「Pocket-Suite」と呼ぶホスティング・サービスも利用できる。

モバイルのシステム開発を支援

 同社のデータセンターのメニューには,データセンターとモバイルを組み合わせたサービスが大きく三つある。一つ目の「TIX PCコンバータ」は,PC向けに開発されたWebコンテンツをモバイル向けに自動変換するアプリケーション。二つ目の「TIX モバイルコンバータ」は,特定のキャリア向けに開発されたモバイル・コンテンツを他のキャリア向けに自動変換するアプリケーション。三つ目の「TIX モバイルビルダー」は,携帯公式サイト向けのモバイル・コンテンツを短期間で開発するための作成ツールだ。それぞれのソフト自体は外部から調達しているが,同社が提供に当たって最適化を行っている。

 「PicLin」という画像認識サービスも興味深い。これは,携帯電話で撮影した画像を使ったクロス・マーケティングの支援ツール。菓子の拡販キャンペーンやテレビアニメの視聴者サービスなど,ユニークな事例が生まれているという。

ワンモア・ポイント
 同社のラックは,1台に19インチ幅の1Uサーバーを実効で41台収納できる。耐荷重は500kgだ。41台というと,上から下までぎっしりサーバーが詰まっているという感じである。スペース上,理論的にそれが可能なラックは他にもあるが,電源や重量制限で実現できないことの方が多いので珍しい。「ラックの収納効率を上げられる」と顧客に喜ばれているという。

基本情報
●名称:テック・インデックス データセンターサービス
●場所:東京都新宿区
●最寄り駅:東京メトロ新宿御苑駅
●料金:要問い合わせ
■変更履歴
新型ラックの名称を「ColdMall」としていましたが,正しくは「CCCM」です。お詫びして訂正します。本文は修正済みです。 [2009/08/05 11:40]